<1>篠宮バラ園の開花情報
篠宮バラ園では、4月から6月まで農園内を解放して、お買い物のお客様だけでなく地域の皆様にもバラを見に来ていただいています。
温室の入り口正面に這わせている
ピエール ドゥ ロンサールと
フランソワ ジュランビル。Facebookの背景写真でも見られますが、右側のピエール ドゥ ロンサールから咲き始め、今満開なのは高いオベリスクのてっぺんのみです。左側のフランソワ ジュランビルは隣の木にのびたつるも含め満開になっています。
アーチを入ってすぐのところには、遅咲きの大きな一重、
マーメイドが咲いています。遅れて咲くのも落ち着いて眺められ、いいものです。
<2>オールドローズのいろいろ
篠宮バラ園では、750種以上のバラを育てていますが、その内290種ほどがオールドローズです。初心者の方にお勧めを聞かれると、四季咲きで花数の多いフロリバンダ種などをご紹介することが多いのですが、オールドローズでもそうような品種はあります。あまりに多様な表情や性質をもっているので次のような視点で、ほんの少しですがオールドローズをご紹介したいと思います。
・ 鉢植えで楽しむ
木立性はもちろんつる性の品種でも支柱を立てれば植木鉢で育てることができます。鉢増しをし、最終的に12号鉢程度(直径38cm前後)に植えれば、花も十分つき手入れもしやすいかと思います。キモッコウとロサパウリーを10年来10号鉢で育て、1.8mの支柱で支え、適度なサイズの枝ぶりで毎年花をつけている例もあります。次のバラは花付きがよく返り咲きをするものです。
マダム ピエール オジェ、
ラ レーヌ ヴィクトリア、
ルイーズ オディエ
・ 和風の庭にも似合う一重
満開でも控えめで可憐、花のない時期は景色に溶け込みます。一季咲きですが、次々に花をつけ、その後ローズヒップも楽しめます。
ロサマレッティー(カラフトイバラ)、
さんしょうばら、
さくらいばら
・ トゲ、モス、葉、枝の表情を楽しむ
多様な特徴を持つ品種を総じて「バラ」と呼べるのは、トゲがあるからではないでしょうか。
ですが、先日こんな記事を見ました。バラの複雑な遺伝子の秘密が明らかになって、「思っていた以上にいちごに近い」ことがわかったそうです!いつか甘い実のなるバラができるでしょうか?
ヒドコート ゴールド、
ロサ アネモネ フローラ、
ゲーテ、
・名前に思いを馳せる
人名のついたバラはたくさんあります。オールドローズゆえに、忘れられた名前もあるでしょう。でも調べてみることでその時代をとても身近に感じたり、その人物が意外と今でも親しまれていたりするのを発見することもあるかもしれません。オールドローズを育てながらの、そんな楽しみ方はいかがでしょうか。
グレース ダーリン、
アラン ブランシャール、
プリンス カミーユ ドゥ ロアン
オールドローズは環境にどう馴染んでいくか、品種によってかなり個性があるように思います。それも含めて発見を楽しむことも醍醐味かも知れませんね。
オールドローズ:1867年に作出されたモダンローズの第一号とされるラフランスより前のバラと、それ以降でもオールドローズに近い系統のものを含めています。