2017.02.04
博物館や美術館に行くと、当時の人たちがどういう暮らしをしていたのかを知る楽しみがある。
当時の人が何を大切にして、どんなことに苦労していたのか、展示物を通じて歴史を知っていくと、昔の人も今と同じようなことで楽しみ、悩んでいたのだと気づかされる。
東京ではマリーアントワネット展が催されていて、彼女の肖像画がたくさん描かれていた。
マリーアントワネットと同い年で、専属女流画家だったルイーズ・ヴィジェ=ルブランは、肖像画に必ずバラを入れて描いており、このバラは、ロココのバラと言われている。
マリーアントワネット展では、こうした肖像画の他にも、プチトリアノンでの田舎暮らしの様子や、革手袋なども展示されていた。
バラの剪定や植え替えなどは使用人や家来にさせていたのかもしれないが、私は彼女が自身でも剪定をしたりしていたのだと想像。
マリーアントワネットやジョセフィーヌはバラを印象づける王妃だけど、現代と同じようにカイガラムシに辟易し、鉢からコガネムシの幼虫がたくさん出てきて悪戦苦闘、ドレスを汚してさらにドタバタなんてこともあったのかもしれない。
これだけ便利な世の中にあっても、バラの楽しみや苦労は今も昔も立場や身分に関係なく変わらないのだなと、ある意味コガネムシに敬意を抱いてしまう。
これから剪定をされたり、植え替えされたり、ダリアの球根を植えたりする方もいらっしゃるかもしれません。
その時、コガネムシの幼虫が現れても、あのマリーアントワネットも手を焼いていたに違いないと思えば、苦労も楽しみに変わりそうな気がする。
ロココのバラ ロサ ケンティフォリア ムスコーサ