カート内の商品数:
0
お支払金額合計:
0円(税込)
送料無料まであと:
10,800円(税込)

プリンセス ドゥモナコ~グレース公妃に捧げられた二つ目のバラ~

地中海に面した南フランスの海岸線の一画に、世界で2番目に小さな国モナコ公国があります。小さいながら魅力的なこの国のプリンセス、プリンスに捧げられたバラをいくつかご紹介してみたいと思います。
ところでモナコ公国ではプリンスとは君主のことです。現在のモナコ大公殿下の敬称は、His Serene Highness Prince Albert II of Monaco となります。グレース・ケリーが結婚した時はプリンス・レーニエはすでに大公の位をついでいましたから、最高位の女性としてのプリンセスだったわけですね。

1 グレース ドゥ モナコ
2 プリンセス ドゥ モナコ (つるプリンセスドゥモナコ
3 ジュビレ デュ プリンス ドゥ モナコ
4 ステファニー ドゥ モナコ
5 プリンセス シャルレーヌ ドゥ モナコ

2 プリンセス ドゥ モナコ Princesse de Monaco
作出:1981年 作出者:‘Marie-Louise (Louisette) Meilland ‘Ambassador’ × ‘Peace’
白色に鮮やかなピンク(アマランス レッド)の覆輪を見せる巨大輪、ピースの血を引く、丸弁高芯咲きです。整った樹形。濃い緑の艶やかな葉。繊細なフルーツの香り。途切れることなく咲き、とても耐病性があります。
1982年、グレース公妃に捧げられた二つ目のバラです。
グレース公妃は1980年に出版された『モナコ公国グレース公妃の 花の本』(My Book of Flowers)で、
「よくどの花が一番好きですかと聞かれますが、特にありません、と答えます。
どの花もそれぞれ好きな人の思いがあるからです。」と書いています。

もちろんそうかもしれませんが、バラには格別な思いがあったようです。
同じ本のバラの項で、このように思い巡らしているからです。

"What is so special about a rose that it seems far more than a flower?
Perhaps it is the mystery it has gathered through the ages.
Perhaps it is the joy that it continues to give.
Humans have constantly used it to transmit sentiments
that they lack words to express, for the rose is different.
Its beauty is remarkable - from the wild rose
to the immaculate beauty of the hybrid rose."

「バラは、ただ花というだけでなく、なぜこんなに特別なのでしょう。

長い時をかけて積みあげてきた、その神秘性かもしれません。

絶えず与えてくれる、喜びのせいかもしれません。

人々は思いを言葉にできない時に、いつもバラに託してきました。

だから格別なのでしょう。

素朴な野生のバラから完璧なハイブリッドローズまで、その美しさは本当に比べようのないものです。」

モナコのあるコートダジュールは、たくさんの花が栽培されている気候温暖で風光明媚な地域です。グレース妃はモナコに咲く花を知ることで、モナコガーデンクラブやフラワーショーの活動を始め、知己を広げていきました。

ピンクの覆輪のある美しいバラ、プリンセス ドゥ モナコは、1981年に作出されました。 作出者マリー ルイーズ(ルイゼット/マヌウ)・メイアンはピース、グレイス ドゥ モナコを作出したフランシス・メイアンの妻で、彼女自身もバラ育種の家で育ちました。 多くの名花を生んだ夫フランシスを1958年に43歳の若さで亡くした後、フランシスの父パパ・メイアンことアントワーヌ・メイアンとともにメイアン社を次代につないでいったのです。

メイアン社のブログにプリンセス ドゥ モナコのプレゼンテーションをするルイゼットの写真が、メイアン社のブログに載っています。(1)
このバラはグレース公妃が、第一回モナコ国際バラ会議に際し、個人的に選んだものです。この新しい品種にメイアンはプレファランスという名前をつけようとしていました。でも、審査委員長の公妃はひとめ見てこのバラに恋してしまい、自分に捧げてほしいとお願いしたのです。願いはすぐに受け入れられました。(2)

本当に悲しいことに公妃は翌年自動車事故で旅立ってしまいます。このバラに生前に出会っていたことを知ることは、バラを愛するものにとってせめてものなぐさめになるでしょう。後にグレース公妃の名を冠したバラ園もつくられ、世界中からグレース公妃のバラに会いにくることが出来ます。

このバラはしっかりとした茎に一輪の大輪の花をすっくと支える力強さを持っています。その姿は本当にゴージャスで、なおかつその明るいピンクと白の色合いは上品で優しい印象を与えます。
遠く別世界のアメリカの映画界からやってきたプリンセスが、今なお尊敬され愛される存在であることを象徴するかのようです。

(1) Souvenirs de la famille Meilland au Cap d’Antibes : 5 – La Principauté de Monaco (外部サイト)
(2) photomazza.com/Rosa-Princesse-de-Monaco(外部サイト)





モナコ王室のバラとグレース公妃

この記事を書いた人

篠宮バラ園 スタッフS

篠宮バラ園 スタッフS

バラ園のお仕事のかたわら、自宅でも篠宮バラ園のバラを育てて10と何年。
系統や品種、時期によって違う育ちに目を見張っています。
バラ周りのお話にも興味がつきません。

窓際で育てるミニバラ栽培 手のひらサイズのバラを楽しもう 5,478円(税込)〜