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艶やかなローズピンクの花色。花径10〜12cmと大輪のロゼット咲きで、花弁がぎっしりと詰まっています。
早咲きで花付きがよく、春は1〜5個の房咲きになります。
その花首は強く、うなだれることなく真っ直ぐに咲きます。
株は直立性で、勢いのあるシュートがまっすぐに伸びますので、2.5m〜3mのつるバラとしてフェンスや壁面を覆うことができます。オベリスクやポールに仕立てる場合は大型のものに向きます。
また、冬の剪定で低く(50〜80cmほど)切り詰めれば1.5mほどのブッシュ(木立ち)として、花壇や15L以上の大鉢で楽しめます。
夏以降に伸びたシュートには花芽がつきませんが、大変生育旺盛でよく伸びます。
秋は房でなく1輪ずつ返り咲きを続けます。耐寒性耐暑性が強いことも特筆すべき点です。
うどんこ病には強め、黒星病には通常の対処を。トゲは多めですので、手袋を忘れずに。
本国のWEBサイトでベスト オブ フレグランスの星がついているように、際立って強いオールドローズの香りを持っています。
イングリッシュローズの香りは「オールドローズ」「ミルラ」「ティー」「フルーツ」「ムスク」の5つに分類されます。
オールドローズの香りはバラの最も古い系統のガリカ、ダマスク、アルバ、ケンティフォーリアが受け継ぐいわゆるダマスク香で、気持ちを引き立てるとともに穏やかにさせる鎮静効果やリフレッシュ効果があるとわれています。誰もがバラと言ったらこの香りを思うのではないでしょうか。
英国王立バラ協会のジェームス・メイソン賞、2021年王立園芸協会のガーデン・メリット賞を受賞。
ガーデンメリット賞とは英国において、入手可能かどうか、安定した生育、育てやすさ、病害虫への耐性、などを評価されるもので、定期的な審査により品質が賞に相応しいかどうか検討されるものです。
このバラは英国のガートルード・ジェキル(1843−1932)に捧げられました。彼女は著名な園芸家、ガーデンデザイナーで、絵画や写真、工芸、文筆にも秀でた芸術家でもありました。
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この投稿をInstagramで見る????(20年5月9日現在)ただいま直売所は新型コロナウィルスの影響で休業中ですが、通信販売は通常通り受付、ご予約順に出荷をしております ???????? 本日は朝から母の日の出荷で大忙し???? 今年はおうちで過ごす時間が長いから、ガーデニングをはじめられる方も多いようです???? 5/10を過ぎても、篠宮バラ園では母の日のバラ承っています☺️ 「遅れてごめんねカード」もご用意しております♪ #篠宮バラ園 #母の日 #生産農家直送 #バラ
サハラ’98は初心者さんにおすすめのバラです。
生育旺盛ないわゆる強健種、よく伸びるしよく花も咲きます。
病害虫にも強いので育てやすくて失敗しにくいバラです。
黄色からオレンジの色合いも、元気をもらえる色ですね。
つるバラなので誘引も必要にはなりますが、比較的誘引しやすいほうです。
なので、バラの初心者だけでなく、初めてのつるバラとしてもおすすめです。
サハラ’98の枝は太すぎず細すぎずの普通の太さですが、あまり固すぎないのが特徴です。
当園ではつるバラとして扱っていますが、元々はシュラブですので、誘引せず自由に伸ばすと高さ2m程度で横張りのシュラブらしい樹形になります。ただしそうしておくには広めの場所が必要になります。
サハラ’98の魅力はなんといっても花の色合いです。
鮮やかな黄色がメインですが、そこにオレンジや赤色が差し込みます。その華やかな色合いは見る人の目を惹きつけます。
また咲き進むにつれて色が移り変わりピンクも見えてきます。同じ一輪の花であっても、見る度に表情が変わっていくのは面白いですね。
花の大きさは花径8cmとつるバラの中では大きい方で存在感があります。
花が大きいうえに花付きも良く、いくつかの房咲きになるので、ボリューミーで見ごたえがあります。
しかし、香りはあまりありません。とても軽いです。
返り咲きのつるバラの中でも特に返り咲き性が強いです。ほぼ四季咲きのようによく咲きます。
ですので、秋にもよく咲いてくれて、たくさんの花を楽しむことができます。
トゲは多いというほどでもないですが、普通の数・大きさのトゲはありますので、扱いには注意してください。
園内に地植えしているサハラ’98の株の様子です。
株元に近い枝は太く育ち、大きなトゲがたくさんあります。
太い根元に対して、先端のほうの枝は細くしなやかでトゲも小さいです。
サハラ’98だけでも華やかで楽しめますが、他のつるばらと一緒に這わせるのもおすすめです。
サハラ’98の色味はどんなつるバラとも相性抜群!
どんな色でもどんな大きさの花でも似合ってしまうオールラウンダーです。
おすすめの仕立て方はアーチ・フェンス・壁面です。
サハラ’98は生育旺盛でよく伸びるので、あまり小さくまとめるよりも大きくノビノビと伸ばしてあげると品種の性質を生かした良い仕立てになります。
しかし、強めの剪定でこぢんまりとさせることはできないこともないのです。強健なので、小さく詰めても枯れることなく花をつけてくれます。ただし花数は減ります。
強剪定する場合は、必ず冬の休眠期にしてください。
日陰であっても間接光があるなら育ちます。北向きでも構いません。
ですが、壁と壁の間のような狭いところには間接光が届きにくいため育ちにくいでしょう。
日陰で育てる場合は、バラの周りに広く空間を取ってあげましょう。
小さなオベリスクではなく、出来れば大き目のオベリスクがおすすめです。
サハラ’98はよく伸びるので、小さ目のオベリスクの大きさ以上に生長してまとまらなくなってしまう可能性があります。
なるべく大きめのオベリスクを用意していただき、冬の剪定の時にしっかりと切り戻してあげると良いでしょう。
つきません。
サハラ’98でローズヒップを楽しむことはできません。ローズヒップを楽しめるバラは一季咲きや原種に近いものが多いです。
チュウレンジバチによる害というのはどれも特徴的です。
チュウレンジバチによる被害で一番甚大なのは葉の食害でしょう。
イモムシの大群が瞬く間に葉を食い荒らしていく姿は悪夢のようです。
また、もう一つ心配になる被害が成虫による産卵です。
緑色の若い枝に、縦に切れ目が入っている、またはそれが割けそうになっていたら、それはチュウレンジバチの産卵痕かもしれません。
チュウレンジバチのメス成虫は、枝に縦の切り込みを入れながらその中に産卵します。
この傷自体がバラの生育に大きな影響を及ぼすことはありません。しかし、その傷口から菌やウイルス等が侵入し病害が発生する可能性は否定できません。
また、卵が孵化するとその切れ目が開くので、枝に大きな傷ができてしまいバラ株の美観を損ねてしまいます。
さらに、中に卵がある状態でそのままにしておけば1週間程度でおびただしい数の幼虫が孵化し出てきて、その幼虫たちが葉を食い荒らすことになります。
○幼虫の場合
チュウレンジバチの幼虫は、孵化して間もないうちは集団で生活します。一枚の葉に群がることもよくあります。
一か所に集まっている場合は、集まっている葉ごと取り除きましょう。
小さいうちは集団でいる幼虫は大きくなると次第に分散していきます。
分散してしまっている場合は1頭ずつ取り除くか、一般的な殺虫剤やベニカR乳剤などを散布してください。
※関連ブログ:スタッフが効果を実感している薬剤 ベニカR乳剤 尺取虫、チュウレンジバチ
○成虫の場合
チュウレンジバチの成虫はフワフワとゆっくり飛びます。また、産卵のために枝に止まるとじっとしていることが多いので、飛んでいても止まっていても捕まえるのは簡単です。
刺さないので手でつまんで捕まえることもできます。
しかし、飛んでくる1頭のチュウレンジバチは自然界に存在するたくさんのチュウレンジバチたちの中の一つにすぎません。1頭捕殺したところで他のチュウレンジバチがやってくることでしょう。
捕殺だけでは埒が明かないので、薬剤散布を基本にしつつ、バラにチュウレンジバチが来ているのを見かけた場合は捕まえるか追い払うのが良いでしょう。
○産卵痕の場合
まだ卵が孵化していない場合、つまようじ等の細長い針を切れ目に挿し入れ、中の卵を潰してしまいましょう。潰す時は中の卵は2列になっていることを意識して潰しましょう。枝の裂傷は残りますが、幼虫が孵化してくることはありません。
卵を潰した後は1週間程度観察し、切れ目が開いていないか確認してください。もし開いていた場合は潰せていなかった卵が孵っているかもしれません。
チュウレンジバチは幼虫成虫ともに薬剤が有効です。特別効きにくかったり耐性が強かったりすることはありません。
薬剤散布することで、成虫による産卵と幼虫による葉の食害を防ぎます。
また、殺虫剤ですのでチュウレンジバチに直接薬剤がかかれば殺虫できるでしょう。
一般的な殺虫剤をはじめ、オルトラン、マラソン、スミチオン、アドマイヤー等を使用することで、他の害虫も合わせて予防できます。
チュウレンジバチとは、ハチ目ミフシハバチ科に分類されるハバチの仲間です。
ハバチというのは、漢字では葉蜂と書き、幼虫時代に葉を食べる蜂のことです。
チュウレンジは漢字で「鐫花娘子」と書き、花の茎に切り込みを入れて産卵する生態を表しています。
書籍・他Webサイト等では「チュウレンジ“ハ”バチ」と表記していることが多いですが、チュウレンジバチとチュウレンジハバチは同じものです。
(和名表記というものは、同じ種を指しているのに表記揺れや別名があることが多いのです。困ったものです……)
バラにやってくるチュウレンジバチの仲間は3種ほど(チュウレンジバチ・ニホンチュウレンジ・アカスジチュウレンジ)います。
どれも成虫幼虫ともに見た目・生態はよく似ていて、バラへの加害方法も同じです。
成虫は体長8㎜程度の小さくて黒っぽいハチです。お腹がオレンジ色でよく目立つのが特徴です。
毒は無く刺さないので、触っても危険はありません。
幼虫は警戒する時に、しゃちほこのようにお尻を上げる特徴的なポーズを取ります。
園内を散策中にチュウレンジハバチの成虫を見つけた動画です。4:42ごろから
チュウレンジバチは薬剤耐性が低いので、他の病害虫防除の薬剤散布で予防することができます。
しっかりと薬剤散布をしつつ、日々バラを観察しながら産卵痕や成虫の来訪が無いかを確認することでチュウレンジバチからバラを守っていきましょう!
バラにつくイモムシというのはいくつか種類がありますが、今回紹介するホソオビアシブトクチバはどのイモムシなのでしょうか?
5~10月に現れます。
個体によって違いはありますが、薄茶色・グレー・ベージュのような色合いです。
模様はありますが、あまり派手ではありません。体に沿った太い線と、ところどころに白い点があります。
大きいものは8㎝の長さまで育ちます。頭の大きさに対して体が長いです。
尺を取って歩きません。イモムシらしく歩きます。
隠れ上手で、バラの枝に沿ってくっついていることが多いです。
また、フチを好むようで、葉のフチや、鉢植えの場合は鉢のフチにいる場合もあります。
動き回るよりはじっとしていることが多いです。
枝や何かのフチにいることが多いので、パッと見では見つけづらいのが特徴です。
じっとしていることが多いイモムシではありますが、育ち盛りの幼虫はモリモリ食べますので、放っておくと知らぬ間に葉っぱがなくなっていってしまうかもしれません。
また時に蕾や花弁を食べてしまうこともあります。
ホソオビアシブトクチバへの対処法としては、捕殺や薬剤散布といった一般的な防虫方法が有効です。
○捕殺
枝やフチに沿ってじっとしていることが多く、隠れ名人なのでよく探さないと見逃してしまいます。
毛や毒はないので、素肌に触れても大丈夫です。
○薬剤散布
一般的な殺虫剤が有効です。
・住友化学園芸ベニカXファインスプレー
・オルトラン
・マラソン
・スミチオン
ベニカR乳剤もよく効果がありました!…ブログ記事「スタッフが効果を実感している薬剤 ベニカR乳剤 尺取虫、チュウレンジバチ」
ホソオビアシブトクチバはチョウ目ヤガ科に分類される蛾の一種です。
ヤガ科は蛾の中でとても大きなグループで日本だけでも1200種以上が知られています。
つまり、似た仲間がたくさんいる、多様性のある科ということです。
科より細かい分類の同じ属の仲間はホソビアシブトクチバを含めて4種います。
Parallelia属
・アシブトクチバ
・タイリクアシブトクチバ
・ヒメアシブトクチバ
・ホソオビアシブトクチバ
4種は成虫・幼虫ともに見た目はよく似ていますが、幼虫の食草はそれぞれ違うので、バラにやってくるのはホソオビアシブトクチバのみです。
またホソオビアシブトクチバの幼虫はバラ以外にウバメガシ(ブナ科)、トウゴマ(トウダイグサ科)、サルスベリ(ミソハギ科)等も食べます。
ウバメガシやサルスベリはよく生垣や植栽として利用されている植物ですね。
成虫は5~10月に見られ、大きさは開張4㎝前後、
500円玉に乗せると翅ははみ出すくらいの大きさの、中くらいの蛾です。
バラの葉を食べる害虫、ホソオビアシブトクチバという蛾について紹介しました。
少々見つけにくいですが、普通の防虫方法が有効ですので、他の害虫対策も兼ねて対策しましょう。
ここ最近秋めいてきましたが、人が過ごしやすくなるということは虫も活動しやすくなるということでもあります。秋バラを楽しみたい方も多いでしょうから、病害虫対策はしっかりとやっていきたいものですね。