冬の季節になるとお問い合わせの中に、「冬になるとバラは落葉するものだと思っていましたが、まだ葉が付いているので取っても良いでしょうか」と言う質問が多くありますので、当園の考え方をお話ししたいと思います。
結論から申し上げますと、無理に落とす必要はないと私は考えます。春の新芽が伸びる頃に、古い葉は自然に落ちます。
バラの基本的な性質は落葉樹(葉が落ちる木)です。桜やケヤキと同じように、寒くなると葉は落ちます。それは春に備えて用済みの葉を落として養分を蓄える寒さ対策で、ここが常緑樹と落葉樹の違いです。バラは落葉樹ですから冬は葉を落として休眠します。
ご質問は「まだ緑色の葉が付いていた場合取っても良いですか」と言うことですが、自然の中で生きている植物ですから、落葉しないと言うことは植物自身が落葉する必要が無いと思っています。それは暖かいからですし、寒くなれば自然に落ちます。気候は年によって違い、暖冬の年もあれば極寒の年もあります。そういった環境でも枯れたりはしません。植物はそのような自然の環境の中で対応して生きています。ですから、付いている葉を強制的に取ることは自然に逆らうことで、植物にとっては迷惑なことではないでしょうか。3月頃になると新芽が伸びますので、もしその時期に昨年の葉が付いていた場合は、自然に葉は落ちます。早いか遅いかの違いだけです。
葉を取った方が良いと言う人もいますが、私は自然の流れで良いと思います。極端な話ですが緑色の葉が付いているということは、根はまだ活動しており栄養を葉に送っています。葉を強制的に取ってしまったら、送っている栄養はどうなるでしょうか。早く剪定したのと一緒で、取った葉の所の芽に栄養が集中し新芽が出てきてしまいます。これから1月下旬の大寒に向かう寒さの中で新芽はダメージを受けてしまいます。余計なことはしない方が良いと思いますし、あまり手をかけないで自然の流れで管理することをお勧めします。