剪定、植え替え、病害虫防除など、ばら苗の育てかたや、管理のやり方です。
鉢の中で根が十分に周り、しっかりとした根鉢が出来たらお庭への植え付けは可能です。
(ただし、新苗はご購入後すぐお庭へ植え付ける前に、一度鉢増しすることで、長い目で見てより良い株に成長します。)
篠宮バラ園でその年の春にご購入いただいた大苗は、お庭へ植え付けるのは5月下旬~6月以降にお願いいたします。
当園の場合、他社様と異なり春になるギリギリまで畑で育成・管理をしております。春の出荷の少し前、2月ごろに畑から堀上げ、1株1株、鉢に入れる作業を行います。
↓鉢上げの動画
なので、3月~4月の段階では、鉢に入れたばかりというのと、まだ寒い時期ですので根が十分に張らずに土を掴んでいません。根鉢が出来上がっていませんので、この時期に鉢から株を抜くと当然土がばらばらと落ちてしまいます。そのころはあたたかい日も増え、少しずつ根が動き始めた時期です。その成長期に根に触れたり不要な刺激を与えると、バラが弱まり最悪枯れてしまうこともあります。(根はバラの心臓部分にあたります。成長期の根はデリケートです)
そのためにお庭への植え付けは、もう少しお待ちいただき、鉢の中で根がぐるりと回り、土をしっかり掴む5月下旬~6月以降にお願いいたします。
※他社様の場合は、長い期間鉢で栽培していることもあるため、春のはじめにご購入された株も根鉢が出来上がっている場合があり、すぐに植え付けが可能なこともあります。栽培・管理方法は業者によって異なりますので、ご購入された先で適切な植え付け時期をお尋ねください。
当園で春にご購入いただいた新苗は、根鉢を崩さないように1度一回り大きな鉢へ「鉢増し」していただき、2カ月ほどは鉢のままで育ててください。2か月程鉢の中でお世話することで、鉢が壁となり根が鉢の中でぐるりとまわり充実した根が出来上がります。また、一度に一気に大きすぎる鉢にしてしまうと、根の量に対して水が多すぎて根腐れの原因にもなります。
2カ月ほどして、根鉢が出来上がっていることを確認してからお庭へ植え付けてください。
4~5月に購入→1度鉢増し(2カ月ほど鉢で管理)→地植え
※四季咲きの新苗の育て方はこちら
※つるばらの新苗の育て方はこちら
00:00基本の考え・生産過程
08:48篠宮バラ園の大苗の場合
11:14新苗の場合
16:48根鉢が崩れてしまったら…
20:39根鉢が出来ているか見分け方
関連記事 Q.地植えの場合、どれくらいの間隔で植えれば良いでしょうか?
A.
3月に入ると新芽も伸び出し、いよいよシーズン到来となります。
令和はじめての春の今期も、暖かな日が続きバラも陽気に誘われ新芽も膨らんできました。
バラを育てている方にとっては待ち遠しい時期、又、期待と不安を抱えた時期でもあります。
これから5月の一番花を咲かせるために、していかなければ事柄をお伝えします。
そのなかでも2020年のポイントは早め早めの対処です。今年は暖冬により新芽の成長が例年になく早くなっています。
それに伴い病害虫の発生も早まりますので注意が必要です。とくに下記に記載しますバラゾウムシは要注意です。いつも以上によく観察し、少しでも食害の症状が現れたら、晴天のとき、株全体に殺虫剤を散布してあげましょう!
神経を使う時期ではありますが、肩の力を抜いて、ぜひ楽しんでお世話をしてあげてください。
鉢栽培は、土の表面が乾いたらたっぷり水遣りをしましょう。
また、お庭の地植えなどの露地栽培は、もし雨が少ない場合は週に1度程度十分に灌水してあげましょう。
カミキリムシの幼虫、テッポウムシ。
年数を経た株は特に注意が必要です。放っておくと枯らす原因にもなります。
株元にテッポウ虫の食べかすの木くずが無いか確認します。もし見かけたら中に虫が居るという証拠ですので排出された穴を探します。必ず近くに有りますので針金などを用いて取るといいと思います。
穴が確認できたら一般的な殺虫剤などを注入してビニールなどで蓋をします。
幼虫
成虫
5月の開花に向けて軽く適量の追肥を行います。
撒き方は、特に気にしなくて大丈夫です。
参考記事:肥料のあげ方の基本
3月、「3~5㎝に伸びた新芽」のころよりアブラムシ、バラゾウムシなどの害虫が新芽に付き始めますので殺虫剤の薬剤散布を行います。殺虫剤は虫が居たら行います。
バラゾウムシ
4月に入りましたらウドンコ病や黒点病などが付きやすい時期となりますので症状が見られなくても予防の意味で週に一度程度、殺菌剤の散布を行います。
季節により多少注意する点はありますが、追肥、除草、水の管理、薬剤散布など、これらの作業を年間を通して行います。
より詳しくは、バラの病害虫と対策 をご参照ください。
★まず、「新苗」と「大苗」の違いを知りましょう!
【ブログ記事】新苗とは大苗とは…
★つるバラについての注意!
バラのグループの中でも、ぐんぐん伸びるつるバラを検討する場合は、ご自宅のスペースの規模にあった品種を選びましょう。商品の紹介ページにある「樹高」や花の大きさを参考にしてください。
どれくらいのスケールで這わせたいのか、たとえば1mほどの小さめのオベリスクなのか、それとも3mも4mも伸ばして家の高さまで、またはフェンスに長く這わせたいのか。
「つるバラ」と一口に言っても、つるバラの中にも比較的小ぶりなものから巨大化するものまで様々です。小さめのオベリスクに巨大化するつるバラは、枝が太く硬くなりすぎてしまいうまく曲げられません。逆に大きな壁に小ぶりのつるバラでは、長さが足りないかもしれません。
まずはご自宅でどんな風につるバラを楽しみたいか、スペースはどれくらいかを決めた上で品種を選ぶと良いでしょう。
大原則は「土の表面が乾いたら鉢底から水が出るくらいたっぷりあげる」です。
【YouTube動画】バラの水やり バラ50年プロの生産農家より
★肥料をあげる
【ブログ記事】肥料のあげ方の基本
★消毒をする 病気や虫の対策
【ブログ記事】噴霧器のいろいろと薬剤散布 初心者さんへプロが教える消毒の仕方
★バラの病害虫について知る
【ブログ記事】バラの病害虫と対策
★新苗は「鉢増し」をしましょう。
【Youtube動画】バラの新苗の植え替え 一番花が終わった後
★春に購入した「四季咲きの大苗」は、花後に剪定しましょう。
【ブログ記事】大苗四季咲・花が咲き終わったあと、どこで切りますか? 剪定
★お庭に植える場合はこちら
【ブログ記事】篠宮バラ園でお買い上げいただいたバラの、お庭への植え付け時期について
【Youtube動画】 お庭への植え付け方法
【ブログ記事】夏に行うこと・注意すること
【ブログ記事】冬に行うこと・注意すること
【ブログ記事】春が近づきあたたかくなって、芽が少し伸び始めたころに行うこと
その他随時更新予定です!
「鉢からバラを抜いて土を入れ替えるなんて怖くてできないよ」
「植え替えた後の古い土の処理、困るなぁ」
「植え替えってしたほうが良いらしいけれど、面倒だしまた来年でいいか」
全て、筆者がかつて思っていたことです。
そして当時育てていたバラ1株を弱らせてしまいました……
なぜ冬の植え替えは必要なのでしょうか?
植え替えには、大きな目的が2つあります。
☆新しい土に入れ替える
植え替えは、『植え替え』よりも『土替え』の側面の方が大きいかもしれません。
培養土には、バラの成長に必要なさまざまな栄養がたくさん含まれています。その中には元々土に含まれていて、肥料ではまかなえないものもあります。
1年間バラが使ってきた土にはその栄養が残っていません。
新しい土に入れ替えることによって、肥料だけではまかなえない栄養を補充することができます。
☆根を整理する
植物は細根から養分や水を吸収するため、元気なバラは細根をたくさん伸ばします。
しかし、細根が多くなりすぎると根がぎゅうぎゅうに詰まってしまい、水はけが悪くなって根腐れを起こしたり、根からの吸収能力が落ちて株の元気がなくなってしまったりします。
また、根が増えすぎると鉢の中の土が追いやられ流出し、量が減ってしまいます。
そのため、増えすぎた細根を減らしてあげる必要があるのです。いわば、根のメンテナンスですね。
大仕事で面倒に感じる方もいらっしゃるとは思いますが、バラのために是非、冬の植え替えは行いましょう。
当園で販売している7号鉢の苗を例に、植え替え方法の基本についてご紹介します。
~植え替え・基本の流れ~
①剪定
②土を落とす
③根を整理する
④鉢に植える
⑤水をあげる
⑥防寒
まずは剪定をしましょう。
冬のやるべきことの中の一つに冬剪定は含まれていますが、枝が伸びたままでは植え替え作業の邪魔になるかと思いますので、先に剪定はしておきましょう。
また、植え替えによって根に多少なりともダメージを与えてしまいますので、どちらにせよ剪定は必要になります。
四季咲き鉢植えの冬剪定については、動画で解説しています。
鉢からバラを抜き取り、根がたくさん抱いている土を落とします。
鉢から抜き取りづらい時には、ゴムハンマー等で鉢のふちに衝撃を与えるとはずれやすいです。
土を落とす際、熊手などの道具で掻いても良いですが、意図せずに根を大きく傷つけてしまう恐れがあります。
可能であれば、ホースや散水シャワーの水圧で土を洗い流すと、根を傷つけずに土を落とすことができます。
また、土を落とすといっても全ての土をきれいに落とす必要はありません。多少残っていても構いません。
ある程度土が落ちたら、増えすぎた細根を取り除いていきます。梳いていくイメージで、手や熊手等で余分な細根を取っていきます。
細根を取っていくと、内側の土が出てきます。洗い流しながら根を整理しましょう。
少し取りすぎかな?と思っても、ほぼなくなってしまうようでなければ大丈夫です。生育期になれば、細根は再び増えていきます。
土を入れたら、たっぷり水をあげます。
鉢底から水が出るまで、しっかり水をあげましょう。
そのあとの水やりは冬の間でも変わらずに、土が乾いたらあげてください。
鉢は冬の寒さを側面からも受けるので、地植えに比べて根が寒さに晒されやすいです。
よほど寒さの厳しい地域でなければ、鉢の芯まで凍ることはめったにないですが、念のためにでも寒さ対策をしましょう。
バラの寒さ対策について、こちらの動画で詳しく解説しています。
おおまかな流れは基本の方法と同じです。
しかし、基本で紹介した方法では7号鉢でしたので、ひと周り大きな8号鉢に変えて植え替えしましたが、
やや大きめの鉢の場合は、これ以上鉢を大きくしても仕方ないので、今までの鉢もしくは同サイズの鉢に植え替えます。
また、こちらも土は全部落とさなくても構いません。全体の3分の2程度でOKです。
7号鉢の場合と同じく、細根が多い場所は減らしてあげましょう。
持ち上げられないほどのとても大きな鉢やプランター、どこかに誘引している鉢のつるバラ等の場合、鉢から株を抜くことはほぼ不可能です。
無理に抜く必要もありません。無理に抜くと木を傷めてしまう恐れがあります。
そんな大きな鉢の場合は、表面の取れそうな土を取り除いて、その分新しい土を入れてあげましょう。
それだけでも新しい土の栄養を得られるのでバラのためになります。
植え替える時に株を鉢から取り外すことで、普段見られない場所や見づらい場所が見やすくなります。
その時にぜひ確認しておきたいのが、害虫がいるかどうかです。
☆コガネムシ類の幼虫
Q. 休眠期とは言いますが、寒くなったのに葉も花もまだついています。葉が落ちるまで植え替えはしない方が良いですか?
A. 葉や花がついているかどうかはあまり関係ありません。寒くなっていれば植え替えして大丈夫です。暖かくなる3月にはもうバラが活発に生育しはじめるため、12~2月の間に植え替えは済ませましょう。
Q. 植え替えと鉢増しは同じですか?
A. 違います。 鉢増しは根を崩さずにひと回り大きい鉢に移すことを指します。土は元の鉢のものをそのまま使い、足りない分は新しい土を足します。植え替えは根を崩し、土を入れ替えて植え替えます。
Q. 細根と一緒に、古くてかたい根も切っていいですか?
A. 切らなくていいです。むしろ、なるべく切らないでください。古い根はそう増えません。細根を減らすのは、増えすぎて詰まってしまうからなので、古い根まで切る必要はありません。また、古い根は先端に細根をつけて吸水するので、切ってしまうと根としての能力が損なわれてしまいます。長くなりすぎて鉢に収まらない場合は仕方ないですが、なるべく切らないようにしましょう。
Q. これから株を大きくしたいので、今のうちに7号鉢からとても大きい鉢に植え替えしてもいいですか?
A. オススメできません。 出来る限り、今の株の大きさに合った鉢に植え替えてあげましょう。株に合わない大きい鉢に植えてしまうと、土に対して根が少ないため吸水が追いつかずに根腐れを起こす場合があります。将来的に大きな鉢に植えたい場合には、株の生長に合わせて毎年少しずつ鉢を大きくしていきましょう。
A.有機質の穏やかに作用するものが安心です。液肥などの即効性があるものは、安価ですがバラの調子にすぐ作用するため、取り扱いが難しくあまりお勧めできません。当園では、IB肥料をよく使用しています。
肥料とは、人が毎日食事をして活力を維持しているのと同じように、植物も生命を維持する為に、栄養を必要とします。とくに、成長著しい若い苗は注意をしてあげなくてはいけません。
肥料には沢山の種類があり、古くから使われている固形の発酵油粕や化学肥料、水で希釈して使う即効性の液体肥料など様々で、どれを選ぶかは悩む所ですね。
とくにバラの肥料と銘打った商品に関しては、バラに必要な成分を満たしていますので、ラベルに記載の量を確認して適量を施します。
大まかですが、7号鉢を例に顆粒状の肥料は小さじスプーン1~2杯、粉末3杯、固形(2~3)個といった具合です。 施肥する量は、それぞれの商品の成分の内容に違いがありますので、用法を読み推奨されている適量でお願いします。
庭植えと違い、鉢という限られた小さな中で生育するために、毎月、適量の追肥が必要になります。株元に置き肥してあげると水やりの度に、溶けて根に栄養を届けてくれます。
庭植えの場合あまり追肥した事が無いという方がおられ、それでも結構育つようですが、鉢栽培では厳禁です。
量は鉢のサイズにより決まります。
植えて間がない若い苗は、冬の「寒肥」、一番花の後の「お礼肥」、秋の開花のための3回が一般的です、鉢と違い毎月上げる必要はありません、量は鉢に1回に上げる量のおおよそ3倍が目安です。
※ツルバラなどの成長著しい品種は、肥料を控えめにしてあげます。
ツルバラ自体、成長力が旺盛な品種ですので、肥料の上げ過ぎは必要以上に枝が徒長しすぎて剪定自体が大変になります。また、徒長した枝には花が付かないので無意味です。
冬の休眠期(12月から2月)と夏(8月)は減らすか上げなくても差し支えありません。
「鉢植え」も「露地植え」も肥料は植えた後に「置き肥」として下さい。用土に混ぜ込むと「根焼け」の原因となり枯れてしまいます。
株の生育状況を見て肥料を加減しましょう。
例えば、人の食事を例に取れば解りやすいのではないでしょうか。
高級店の料理は美味しいでしょうけど、果たして健康には良いでしょうか?
バランスの取れた食事が大事なように、高い、安いではなく、肥料も適切なものを適切な量、適切な時期にあげることが大切です。
00:00はじめに
00:34有機肥料と化成肥料の違いは?
06:31高濃度の肥料は使いづらい
08:08肥料をあげるタイミングは?
09:27生ごみを株元にあげてはだめ?
10:49同じ肥料をあげ続けるのは良いの?
12:45土に混ぜてはダメ
15:49篠宮バラ園の有機肥料はどんな特徴がありますか?
17:58開花時期は避ける?
21:05真夏は?
21:33肥料が不足すると
22:48肥料を忘れていて急いで開花させたい場合は?
25:05「適量」ってどれくらい?
26:30肥料焼けってどんな症状?
27:10鉢でずっと肥料をあげないと…
28:28実演 肥料の量
12月に入り、気温も大分下がってきました。
この時期から、おおよそ2月末までの3か月間は、一般的に(休眠期)と言われるバラにとっては過酷な季節に当たります。
休眠とは、温度が下がる事によって自分の身を守ろうとする行為を言います。寒さにじっと耐え、来る春に備える大切な時期でもあります。
バラの管理も、活発に成長していた温かい時期と異なり、活動休止のこの(期間内)にしておけば良い作業と思って頂ければ良いと思います。
※その年の気候やお住いの地域により、他の季節のお手入れもご参考にしてください。
秋のお世話
10月の秋の花を楽しんだ後に剪定をしますが、現代では暖冬のせいか12月になっても花を咲かせ、楽しませてくれる場合もあります。
花を咲かせるということは、休眠に至っていないということです。その場合、カレンダー上では12月でも、(本来は休眠期に行う)深く切り詰める本剪定は無理にしなくてOKです。最終的には2月末までに行えば良い作業です。
剪定の方法は四季咲き、ツルバラなどの系統別の特性をいかした作業がそれぞれ必要ですので、それに従ってください。
(1)四季咲き鉢植えの剪定
★ポイント★
・株全体のバランスを考える
・勢いの良い枝から剪定する
・芽の位置を把握する
(2)四季咲き地植えの剪定
00:00剪定スタート
9:20去年切ったところとは…
10:22形を保つ大事さ
21:27シュートの剪定
26:50決まった形はありません
29:18気を付けること
30:43三月でも剪定していい?
33:14肥料について
(3)つるバラの剪定
00:00はじめに
04:15剪定道具の紹介
06:53株元から枯れ枝を剪定
07:53いる枝、いらない枝の選別
09:20若い株の場合は…
10:40枝を減らす
12:26脇枝を少し残す
18:47隣の株へ移動
21:50枯れ枝と元気な茶色い枝との見分け方
25:20上部で気を付けること
26:19枝数、風通し、花数
27:08外芽、内芽
29:25まとめ
30:39花数を増やすコツ
32:19下にも咲かせるコツ
33:36四季咲きとの違い
水平に誘引よりも、下の方へ空いているところへ誘引するのがたくさん花を咲かせるコツです。
00:00つるバラの誘引
13:45テッポウムシに気を付けよう
16:10使っている紐は?
18:58毎年誘引しなおすの?
21:11新苗の誘引は?
23:46冬以外も誘引して良いの?
26:28老化した株からシュートを出すには?
29:33小さめのアーチに誘引できないのですが
33:10新しいシュートを出すには
35:33最後に
鉢栽培をしている場合、土をごそっと入れ替える植え替え。1~2年に一度はこの休眠期に必ず行いましょう。
限られた狭い鉢という環境の中で生育しているので、植え替えは大切な作業になります。
市販の用土か、ご自分で正しく配合した用土で植えます。植え替え後は凍らないように寒さ対策を必ずして下さい。
冬に新しい土に入れ替えておくことで春にしっかりとした根を張ってくれます。植え替えをしないと枯れるというわけではありませんが、春に元気な花を見るための年に一度のとても大切な作業です。
また、植え替え作業はコガネムシやカイガラムシ、アブラムシなどの病害虫がいないかチェックが出来るタイミングでもあります。
※植え替えには当園のオリジナル培養土がおすすめです。
こちらの動画では細かく手順を説明しました。
00:00基本の植え替え(7~8号鉢ぐらい)
26:06やや大きめのサイズの鉢の植え替え
42:36特大サイズ(動かせないような鉢、プランター、誘引しているつるバラの鉢等)の場合
46:00気を付ける虫
49:00終わりに
特に根が凍らないように注意をしてあげます。
幹の部分は比較的寒さに強いのですが、根を凍らせると死に至らしめます。人で言えば心臓に当たる部分ですので特に気を付けます。対策としては、夜にビニールや布などで包んであげると効果的です。詳しくは動画で説明しましたのでご覧ください。
路地植えのバラは特に必要ないです。 鉢植えのバラはいつものように、表面が乾いたらあげてください。ただ、春夏秋に比べ、水をあげる回数は大幅に少なくなります。
追肥は休眠期間内に一度ほど適量を置き肥して下さい。
バラが元気に生育する時期に悪さをした病害虫も来春に向けて、また、新たな子孫繁栄の為に生き延びようと涙ながらの努力をしています。
主に、葉ダニ、テッポウ虫、コガネムシの幼虫などしっかりと対処しておくことが大切です。
気温が0度を下回ると葉の裏に寄生していたダニは越冬のために、株元に降りてきて温かい表皮の内側に集まり集団で冬を越します。対策として、この時にハブラシなどで古くなった角質層を剥ぎ、赤く色づいたダニを退治して上げると有効です。
カミキリムシの幼虫とも呼ばれます。夏にバラの幹に卵を産み付け孵化した後、幹や根を食害して成長し主に年数を経たバラに大きな被害をもたらします。
対策として、12月~2月の休眠期に株元に食害された跡(木くず)が有るか無いか確認します。
無ければ問題なし、もし有るようならば必ず排泄した穴がありますので発見し、スミチオンなどの殺虫剤を穴に注入します。
コガネムシも夏に産卵し秋に被害をもたらします、特に鉢栽培などで急に生育が悪くなったような時は要注意です、鉢から株を抜いてみると沢山のコガネムシの幼虫がいて、根が食い荒らされています。
こうならないように定期的に薬剤散布を行ったり、鉢から抜いて芽の確認も必要です。
より詳しくは ブログ記事 コガネムシ類による症状と予防・対策
葉が落ちて枝が見えてきた今の時期の手入れが適しています。ブラシでこすったり、洗車用の高圧洗浄で飛ばすのがおすすめです。
より詳しくは ブログ記事 カイガラムシの予防・対策
秋に黒点病などに罹った枯葉は拾い集めて処分します、圃場全体の薬剤散布もお勧めです。
近年、あたたかい冬が増えています。
そのためお客様より「冬剪定をしたあとすぐに緑の新芽が伸びてきた。これって大丈夫なの?」とご質問をいただきました。
たしかに冬は休眠期で落葉するものですが、あたたかくて休眠に入らなかったとしてもそれはそれでその環境に応じて植物は一生懸命生きています(根が活動している)ので、気にされなくて大丈夫です。ましてや、ついている葉を無理に落とす必要もありません。
伸びたら伸びたで自然なので心配しなくて大丈夫です。たとえ1月2月に新芽が出てきて霜がついたとしても、株自体が枯れることはありません。2月いっぱいに春に向けての本剪定を行えばOKです。
よくいただく質問に、「本来冬は葉が落ちるはずですが、まだ葉がついている。葉を落とした方がよいのか?」というものがありますが、これは落とさなくて良いです。自然の木々を思い出していただければおわかりいただけると思います。詳しくは動画でお話しましたのでご覧ください。
モッコウバラ
お送りした鉢苗は6月上旬までそのまま水やりの管理をして、お花を楽しんで頂けます。
その頃になりますと根がしっかり回っていますので、お庭に植え付ける場合は鉢から抜き、根を崩さずにそのまま植え付けます。地面に縦横50cmの穴を掘り、掘り上げた土と
バケツ1杯の《完熟堆肥もしくは腐葉土》とよく混ぜます。
(※その際、肥料は絶対に混ぜ込まないでください、根焼けの原因となります。)
その土を戻し、たっぷりの水で植え付けます。深植えにならないように注意し、接木部分は地際に出してください。
この方法ですと冬季植え替え時に多い、寒さと乾燥による失敗がありません。
お送りしました7号鉢のままで年内は大丈夫だと思いますが、成長が著しい品種につきましては植え替えをお勧めいたします。梅雨が終わる前までに行うといいでしょう。
鉢の大きさは成長の度合いにより8号~10号がいいと思います。プランターもお勧めです。株を鉢から抜き、土を崩さずに行います。2年目以降の植え替えは根の発育状態を見て毎年か一年おきかの判断をして下さい。水はけが悪くなったときが目安です。古い土を落とし、根を少し切り戻して新しい用土で植えつけます。根を崩す植え替えは12月~2月頃(休眠期)に限ります。
《水やり》
基本的には鉢土の表面がすこし乾いたらたっぷりの水を与えます。簡単な様ですがなかなか熟練を要します。昔から、「水やり3年」などと言う格言もあります。
鉢植えのバラは小さな鉢の中の土だけで生命を支えていますから、くれぐれも水切れなどにはご注意下さい。
《追肥》
チッソ(N)・リンサン(P)・カリ(K)が同程度含まれる化成肥料や配合肥料などを1ヶ月に1~2回ほど施しましょう。
《病害虫の防除》
バラ作りの中で最もやっかいなのが病害虫の防除です。代表的なものに黒点病・うどんこ病などがあります。早期発見、早期防除に努めて下さい。
バラは大きな括りでは「低木」に入ります。
自然界での植物は、基本的に生えた場所で一生を終えるので移動することはありません。
移動することは考えられていないので、引っこ抜かれた時点でおしまいです。
移植はそんな中、人間のわがままでおこなわれるものですが、移植して枯れてしまっては意味がありません。
元気な木が、自身の生命力と人の手による養生でギリギリ持ちこたえ、根を伸ばし再び元気になる、これが移植です。
生えている場所から掘り起こされて別の場所に移動して植えなおされるということが植物にとってはかなりの異常事態なのです。
現在では農業でもガーデニングでも移植はよく行われる作業です。また、専門的に木の掘り上げや移植を行うのは、造園業や植木屋といったプロの職人さんが多いです。
①大きさを決める
まずは、*根鉢の大きさを決めます。
苗に対して大きすぎても小さすぎてもいけません。根鉢の大きさはつまり、根を切る長さと同義ですので、小さすぎると根を切りすぎてしまいます。大きすぎても、持ち上げた時に土が崩れて細根を傷つけてしまったり、重くて持ち上がらなかったりと扱いづらくなります。
鉢植えにする場合は、植え替える鉢に入る大きさにしましょう。
上の写真では、半径20cmほどの大きさで決めました。土の上に線を引いておきましょう。
*根鉢とは…バラを掘り上げたり、鉢から引っこ抜いた際の、根と土がひと塊になった部分。
②周りを掘る
株の周りを掘ります。引いた線の外側を掘っていきます。一度に深く掘らずに、少しずつ浅く、株の周りを何周かしながら掘っていきましょう。
周りを掘り終えました。
深さは、最初に決めた根鉢の直径~半径の間で都合の良い深さにしましょう。浅すぎると根を大きく傷つける可能性が高いです。
この後、スコップを下に向けて斜めに入れるため、幅は少し広めに掘りましょう。
③根切り
斜めにスコップを入れて、根を切っていきます。
根は出来る限り傷つけない方が良いですが、根を切らなければ掘り上げることはできません。
地植えにしてから時間が経つと根が太く固くなってしまっていることもあります。剣先スコップの先端をよく研いでおくと、そんな固い根であっても切りやすくなります。
上の図の赤い点線のように、コマのようなかたちをイメージしてスコップを入れます。
④土から掘り上げる
底の方にスコップを入れて、土から切り離します。
今回は根があまり土を保持していなかったので、上げる前に土が崩れて裸苗のようになってしまいましたが、根が土をちゃんと掴んでいると、鉢から苗を引き抜いた時と同じような状態になります。
これで掘り上げ完了です。
多かれ少なかれ根を傷つけているので、必ず地上部の枝などを剪定して、根と地上部のバランスを整えましょう。
・株の根元にいきなりスコップを差し込む
根は横にも広がっています。株のすぐ近くから掘り上げると根の一番元の部分を傷つけてしまいそれが致命傷になって枯死してしまう可能性があります。必ず少し離れた所から少しずつ掘りましょう。
・地植えして数年以上経った古い株を掘り上げる
古い株は根を長く地中に伸ばしているため、根を短く切ってしまうと根の機能が大きく損なわれてしまいます。
植木屋には地植えで管理されている在庫の苗がありますが、それらの苗はあまり長く植えられていません。高頻度で植え替えを行って動かし続けているので大きく根が張らず、移植しやすくしています。
・休眠期である冬以外に掘り上げる
生育期である春・夏・秋に掘り上げるのは、バラへの負担が非常に大きく、おすすめできません。やむを得ない事情がない限り、移植は休眠期である冬に行いましょう。
どうしてもやむを得ない事情があり、春・夏・秋に掘り上げなければならない場合は生育期の堀上の記事をご参照ください。
動画はこちら
掘り上げのようすは5:27~14:30
そもそも、なぜ冬場の休眠期以外に移植してはいけないのでしょうか。
バラにとって冬の休眠期以外は、枝や根を伸ばす生育期です。生育期には根から水や養分をたくさん吸い上げ、枝や葉を生長させていきます。その勢いの凄さは皆さんもお世話していて実感することが多いと思います。
そんな勢いのある時に根を傷つけてしまうと、吸い上げることができる水や養分の量が減ってしまいます。しかし枝葉の生長は突然止まることはできないので、しばらくは今までの勢いのまま続きます。すると水や栄養が不足してしまうため木が弱ってしまいます。それがそのまま枯死につながってしまうのです。
休眠期の場合、生長が非常に穏やかであるため必要な水分や養分が生育期より少ないのです。そのため根を傷つけても必要な水分や養分をまかなえるため、枯死することなく春の生育期を迎えることができます。
大前提として、生育期に掘り上げをする時点で、休眠期と比べると枯れてしまう可能性は非常に高いです。
真夏で気温の高い日には、真昼の酷暑下での掘り上げは避け、なるべく涼しい時に行ないましょう。
そして、なるべく根を傷つけないように掘り上げます。株元にいきなりスコップを刺しこむのは言語道断!
掘り上げ方についてはこちらの記事もご覧ください。
地植えにしてから2年以上経過した古い株は、大きく根を広げてしまっています。
水や養分を吸い上げる根としての役割を行っているのは根の先端の方だけで、太く硬くなっている部分は“管”としてしか機能していません。硬い表面からは水分や養分を吸収していないというわけです。
ですので、掘り上げるために根を短く切ってしまうということは根がほぼ全部なくなってしまうのと同義なのです。根がなくなるにも関わらず、地上部分は元気に成長しようとするため、すぐに水や栄養が足りなくなり枯れてしまいます。
きちんと管理しても、枯れてしまうか、新しい根が伸びて復活するかはいわば博打です。駄目になる前提のワンチャンスであると、心構えをしておきましょう。再び元気になった暁には株は若返ります。
地植えにしてからあまり時間が経っていない株ならば、あまり太い根が伸び広がっていないため古株よりも掘り上げるリスクは低いでしょう。しかし、それでもダメージは大きく、適切な養生が必要になります。
園主が持ち上げているこの株は7月に畑に植えた7号鉢の苗です。撮影したのは9月なので移植してから2ヶ月以上経っていますが、鉢の形がまだ残っています。しかし、周りからは細いひげ根がたくさん出てきています。
多かれ少なかれ根を切ってしまっているため、根に合わせて地上部(枝や葉)も小さく切り詰める必要があります。植物にとって地上部と地下部のバランスは生きる上でとても重要なのです。
古い株の場合、根の機能がかなり損なわれているため、かなり切り詰める必要があります。接ぎ目*から数センチでも組織(枝や芽)が残っていれば復活する可能性はあります。地上部が大きいと負担になるため、少し思いきって切り詰めましょう。
1年以内の株は、古い株のようにギリギリまで切り詰める必要はありません。あまり大きく枝が伸びてない場合は葉を落とすだけでも構いません。葉は植物にとって維持するのにたくさんのエネルギーが必要となる器官ですので、なるべく少なくしましょう。
(*接ぎ目について…芽接ぎ作業の様子、芽が伸びてきた様子)
左が1年以内の株、右が古い株です。
並べて見比べると、根の状態に合わせて切り詰める度合いが全然違うのがおわかりいただけると思います。
掘り上げて切り詰めた後、移植・仮植まで数日程度であれば、水を入れたバケツに入れておくことができます。根が乾かないように、しっかり首まで水に浸しておきましょう。
※この写真では少し水が少ないですがこの後首元まで水で満たしました。
数週間~数ヶ月空く場合には、鉢に仮植しましょう。
生育中だったのに枝も根も切られてしまった苗はいわば死にかけの状態です。
生きるか死ぬかの瀬戸際ですので、充分に療養させてあげる必要があります。
☆水
土や根が乾かないように水やりしましょう。通常時よりも少し多めで構いません。
新しい芽が出てきたら、普段の水やりに戻します。
☆肥料
肥料はストレスになるため、新しい芽が吹くまではあげてはいけません。
新しい芽が吹き安定してきてから肥料はあげましょう。
☆日光
直射日光は避けましょう。特に真夏の強い日差しの下には耐えられません。
上記の養生方法を行っても、持ちこたえられず枯れてしまう場合も大いにあります。
よほどの事情がない限り、掘り上げは冬の休眠期に行ないましょう!