Rosa uchiyamana Makino
さくらいばら 桜茨 ロサ ウチヤマナ
4月から始まったNHKの朝ドラ「らんまん」。
植物学者の牧野富太郎(1863−1957)がモデルになっています。
各方面の植物愛好家界隈ではドラマの中で植物がどのように描かれるか興味津々、なようです!
さて、篠宮バラ園にも牧野博士ゆかりのバラがあります。
さくらいばら。大きなアーチになっています。
今年の冬は一度も葉を落とすことなく青々としていました。
学名はRosa uchiyamana MAKINO
東京大学附属小石川植物園で「さくらいばら」と呼ばれていたばらに、牧野が学名をつけるに当たり、当時の園丁取締(園丁長)だった内山富次郎氏の名前を献名したと言われてます。
学名の最後には命名した人の名前がつきます。
明治初期、日本の植物学は黎明期で日本の野生植物に西洋の学者がどの学名をつけたか、十分わかっていませんでした。植物を採集し、文献と付き合わせて手探りで突き止めていき、それからは新種を見つけては日本人が名前をつけるという「大命名時代」がやってきました。
牧野富太郎はそこにアマチュア出身の植物学者として深くかかわっていきます。
愛らしい一重
内山富次郎(1851−1915)は明治8年に植物園の園丁として定雇いになり、15年には園丁取締になり、生涯その役を勤めました。植物園にとって大きな存在だったようです。
勤続35年になる明治 43年に書かれた祝賀慰労金の募集文では、彼が明治8年頃に植え、植物園のシンボルともなっているソメイヨシノの大樹のような存在と書かれています。
各方面への植物採集の旅行に同行し、明治29年には大学が派遣した台湾学術探検隊に植物分野のメンバーとしてと牧野と共に参加しています。他にも学名にuchiyamaとついた植物はいくつかあり、様々な採集と数多の標本作りにもかかわったことが想像されます。
小石川植物園には、日本各地の固有のバラ、桜も収集され育てれています。
先日訪れてみましたが、まさに都会の真ん中のサンクチュアリ。
全ての植物の出自がたどられ、居心地よく暮らしているところです。
機会があればぜひお訪ねください。