ピエールドロンサールは、1985年/フランスで作出された品種です。
花はクリーム色の大輪、花の中心に向かうほどピンクを増します。系統はつるバラに属し、生育旺盛で丈夫で大変育てやすい品種です。一季咲きの多いつるバラでありながら、よく繰り返し咲きをし、秋までたくさんの花を楽しませてくれます。また春に短く剪定しても、花をよくつけます。(普通のつるバラではありえません!)病害虫に強く、バラを始められる初心者にはぜひともオススメしたい品種です。
ピエールドロンサールは大輪系のつるバラですので、基本的には、鉢ではなく露地にオススメしたい品種です。露地植え出来ないときは、10号鉢以上の大き目なプランターをおすすめします。容量が小さくなれば、鉢土が乾き、水やりの回数も増し、バラにストレスを与えます。ベランダでの管理は、水やり、追肥などの基本作業と、太陽光の調整、風対策が必要です。
露地植えではあまり問題になりませんが、鉢栽培の場合は生育旺盛なので、土が乾きやすいです。乾いたら水をあげるというように、基本を大切にしましょう。また、小さい鉢ですと、とくに乾きやすいので、大きめの鉢がやはりおすすめです。
春の一番花から始まって、7月ごろまで長く開花しますが、開花後は強く剪定してしまうと花の付く間隔が長くなります。花がらだけをつむようにしてください。
来春に向けての本剪定は、12月~2月末までに終わらせましょう。
冬の本剪定につきましては、こちらの動画で詳しく解説しましたので、ご覧下さい。
ロンサールに限らず、つるバラの基本的な考え方がおわかりいただけるかと思います。
ピエールドゥロンサールは、基本的に生育旺盛なつるバラですので、ブッシュ仕立て、あるいは小さなオベリスクには、出来れば避けていただきたい品種です。無理に詰めて剪定してもかまいませんが、ロンサール本来の素晴らしい性質を台無しにしかねません。大き目なオベリスクやフェンスなど広い場所での誘引が適切です。
バラは、それぞれ系統がありますので、その特性を生かしてこそ、その品種の素晴らしさが発揮できるのではないでしょうか。
とくに、ピエールドゥロンサールだから気をつけなくてはいけない病害虫はありません。生育旺盛で、バラを始められる方におすすめなのもそのためです。一般的な対策で十分です。
病気→ 黒点病、うどんこ病
虫→ アブラムシ、コガネムシ、バラゾウムシ、ダニ類
バラの花言葉は「愛」、
中でもピンクのバラは「完璧な幸せ」、
白いバラは「私はあなたにふさわしい」。
ではピンクと白をあわせ持つこの花は?
プロポーズしかないような…
ピエール ドゥ ロンサール
Pierre de Ronsard (1524-1585)
ルネッサンス期のフランスの詩人です。若い頃から「詩の王子」として称えられ、宮廷詩人としての地位を確立しました。その後、政変や病に翻弄されながらも詩への情熱を失わず、ギリシャ古典の研究を踏まえ、フランスの田園風景、美しい女性やかなわぬ恋などを叙情的にうたっています。いくつかは歌になり、今もフランスでフォークソングとして親しまれています。
Mignonne, allons voir si la rose
(かわいい人、このバラをごらん)
この原題をYouTubeで検索してみると、長調で歌われるかわいらしいアニメと、短調のリュートの伴奏でものうげに歌われる動画が見つかります。
この詩はどちらの気分なのかと戸惑われるかもしれません。内容はバラの美しさとはかなさを歌っているのですが。
もとは「À CASSANDRE カッサンドルに」という女性に寄せた詩です。彼女はイタリアの銀行家の娘で15歳、ロンサールは21歳の時の出会いでした。ロンサールは貴族の出ですが、10代後半に病気によって片方の聴力を失ってしまいます。その後は教会の援助で学んでいましたが、聖職者でもあったので結婚はできなかったのです。
ロンサールはガーデニングも好んでいたそうです。彼がかつて住んだ館の庭には、今でも数々のバラが咲き乱れています。