品種ごとの育て方をご紹介いたします。
英国王立園芸協会の「アワード オブ ガーデン メリット」を受賞した、日本で唯一の品種としても知られ世界中で栽培されています。
澄んだ淡桃色の花が円錐状の房にまとまって開花し、大変花持ちが良い品種です。
遅咲きで、枝は分枝が良く密に伸び、自然体では地面を這うように伸びるのでグランドカバーとしても最適です。
丈夫で育てやすく病気にも強い品種で、花殻を残すと秋にはローズヒップを楽しむことが出来ます。
名前の「のぞみ」の由来は、作出者の小野寺透氏の姪御さんの御名前です。戦後、満州から引き上げるときに祖母と母を亡くし、一人日本に向かう列車内で亡くなった4歳の女の子の悲劇の物語を、後にバラの作出を手掛けられた小野寺さんが「バラになった少女」と手記でお書きになっておられます。
自然体で育ててもまとまり良いですし、トレリスやフェンスなどでも様々な仕立て方が出来ます。誘引をしない、ただ植えるだけのグランドカバー的な仕立て方もお勧めです。
病気にも強く、半日陰でも十分に生育可能で初心者の方にもお勧めしたい品種です。
ツルばらの多くは枝を上へ々と伸びるため横へ押し下げるように誘引するのですが、「のぞみ」は地面を這うようにのびますので楽に誘引が出来ます。
成長は早い方ではありませんが、年数を重ねると見ごたえのある株に仕上がります。
枝は分枝が良く、細い枝がほふくする様に伸びますが、徒長しませんので、剪定をほとんど必要としません。
ローズヒップを楽しむには、春に開花した花殻をそのまま切らないでおきます。
「のぞみ」に限らず「宇部小町」などクライミングミニの品種は、ノイバラに近い品種のため、実の付きが良く秋に小粒の赤い実を沢山付けます。
この実を発芽させて、新しい品種を作ってみるのも如何ですか。
のぞみの系統は、「クライミングミニ」になります。クライミングミニは、系統の特性により遅咲きの品種になります。
FL/HTなどの四季咲きなどの品種が開花した後の5月の下旬ごろから開花し始め6月いっぱい楽しめます。
バラも早咲の品種から遅咲きの品種、四季咲き、返り咲きなど様々な品種がありますので上手に品種選びをすると年間を通して花を楽しむ事が出来ます。
育てやすく、病害虫にも強い品種ですが一般的な防除は必要です。
バラの病害虫と対策のページをご参照ください。優しいオレンジ色からオフホワイトに変化し、素朴で優雅な雰囲気を醸し出し暖かな色彩が魅力です。 大変、強健で伸長力旺盛な品種です。トゲも少ないうえ、葉脈のはっきりした光沢のある葉も大変美しく、花は中輪の房咲きで、満開の時はそれはもう見事の一言に尽きます。
系統はランブラーローズの仲間ですので、大きなフェンスや壁面など様々な構築物の誘引に適しています。枝は3m以上にもなりますが、トゲが少なくしなやかで扱いやすいです。
ノイバラの血を色濃く残していますので、実も沢山付けます。
ランブラー系はとにかく丈夫ですので、半日陰を問わず北側でも広い空間があれば問題ありません。 植えた所が北側でも、長く伸びた枝葉が陽に当たるように誘引してあげれば問題ないのです。
壁面やアーチなど、大きく育ったバラの手入れは危険ですので、専門家にお願いすることをお勧めします。 また、一度植えてしまうと移動は困難となりますので、将来設計を考慮して植え付けて下さい。
ピンクの中輪房咲で、その色彩や花容、花付きの良さで最も人気の高い品種の一つです。
伸長は極めて旺盛で株元や枝の途中から良くシュートが発生し誘引の自由度は高く面積さえあれば本当に見事な景観が楽しめます。
甘酸っぱい香りの花、光沢のある葉、耐病性それにランブラー・ローズには珍しく棘の少ないのも魅力です。
つるバラ(クライミング・ローズ)の中にランブラー(良く伸びる)と、シュラブ(低木、灌木)といった分け方あると思えばいいかと思います。
系統的には大変難しくなるのですが、イングリッシュ・ローズや近年作出された返り咲きの小型のつるバラなどは、シュラブ・ローズに分類されます。
「ランブラー」とは、やたらと伸びる、ぶらぶらするといった意味合いが有ります。つるバラの仲間でも特に伸長力が旺盛です。
日本の野バラや、照葉(テリハ)ノイバラ、その他の原種を交配親とする品種群を言います。いずれの品種も親である原種の影響を色濃く受け継ぎ、小輪、房咲きで花付きの良い品種が多くあります。
上記で説明しました様に伸長力が大変旺盛ですので、面積のあるアーチ、フェンス、壁面、などが良いです。また、支柱をしなければ地面を這って伸びますので、土手などのグランド・カバーとしても有効な貴重な品種です。
反対に狭いスペースには不向きです。
他のランブラー・ローズにも言えることですが、枝をあまり詰め過ぎず特性を生かすように誘引し、2年目以降に枝が混んできたら株元の枝を2~3本に整理し枝数を減らします。これにより風通しも良くなります。
気を付けて頂きたいことは、育て方によっては屋根まで覆い被さる様な元気な品種ですので、高い所の作業にはくれぐれも注意をお願いいたします。大きくなった株のお手入れはやはり専門家にお願いするのが一番かと思います。
強健種ですので一般的な防除でよいもですが、如いていえばカミキリムシの幼虫の テッポウムシの食害には気を付けたいですね。対処もしっかりと行いましょう。
伸長力が大変旺盛ですので、まめに誘引の作業をして下さい。
芳純は1981年に鈴木省三氏によって作出されました。 クローネンボルグ/グラナダを親に持ち、サーモンピンクを帯びたローズ色の半剣弁高芯咲きのボリュウムのある花形に特徴があります。 又、名の由来もこの品種の特徴から付けられ香りの素晴らしさを表しています。樹形もコンパクトでまとまりやすいので、比較的初心者の方でも安心して育てていただける品種です。
調香師からも高い評価を受けている芳香品種です。有名な化粧品メーカーの香りの元になったバラとも言われています。
名花、ピースの血を色濃く受け継ぎ花弁の肉厚と、ふっくらとしたボリューム感ある花は見ごたえが有り花持ちも優れています。
葉は大きめで、葉脈がはっきり表れます、樹形は直立性ですが枝の節間が短いため、株はコンパクトにまとまり仕立てやすく、鉢栽培などに向きます。
バラの棘にも様々な形が有りますが芳純の棘は肉厚で短く、数も少な目の様です。
比較的、丈夫な品種ですが、高温期に下葉が黄変、落葉しやすい一面もあります。 一般的な黒点病、ウドンコ病、アブラムシなどの防除は必要です。
大変丈夫で誰にでも育てやすい品種です。主につるバラとしての需要が多く、低いフェンスからアーチまでさまざまに誘引出来、春には一面を花で覆い尽くします。その姿は圧巻です。
アンジェラの様な強健種は生育旺盛で良く伸びるので、のびのび育てられる地植えが最適です。
株が成長して枝数が多くなればその分多くの花を付けてくれます。 3年もすれば何百もの花を付けてくれますので、気長に待ちましょう。
アーチ、フェンス、オベリスクなどの所定の場所に植え付けた後、春からの新芽の成長とともに誘引していきますが、柔らかい新芽のうちは無理をせず、ある程度充実するのを待って誘引していきます。
1~2年かけて理想の形になるように心がけ、隙間を埋めてゆきます、この間の剪定は必要とせず、咲終わった花殻だけ剪定します。
四季咲き品種に比べ、つるバラ品種は日陰に強いのですが、やはりアンジェラも強いです。
家と家とのわずかな隙間などでは無理ですが、空間的な広さがあれば、たとえ日が差さない様な北向きでも生育可能です。
つるバラの剪定に準じますが、とくに冬の2年目以降の本剪定をしっかり行います。 主幹をしっかり決め形を整えます、枝数、風通しなど春の開花を連想して行います。
主に春と秋に注意してください。 病気:うどんこ病、黒点病 害虫:アブラムシ、バラゾウムシ、コガネムシ類、ハダニ、テッポームシ(カミキリムシ幼虫)
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