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カイガラムシの予防・対策

バラの代表的な病害虫のひとつ、カイガラムシの予防・対策についてご紹介します。


枝が白くなっている。――それ、カイガラムシかも?

バラの葉や枝に白いウロコのようなものが点々と付着していたり、幹の一部分がベッタリと白くなっていたりする場合、それはカイガラムシである可能性が高いでしょう。
1匹は小さな虫ですが、繁殖力が高いためあっという間に増殖し、バラ株の衰弱や酷い場合には枯死してしまう原因となります。また、カイガラムシの排泄物はスス病を引き起こす原因となりますので、カイガラムシ本体と相まって見映えが悪くなってしまいます。


カイガラムシの対策・予防・防除法

カイガラムシの対処は基本的に除去です。薬剤は除去後に予防として使用します。

ブラシでこすって剥がしていくのがカイガラムシを取り除く一般的な方法ですが、範囲が広い場合や複数の株に発生している場合、一つ一つブラシでこするのは手間がかかるためオススメできません。ブラシが使えない場合は水圧で吹き飛ばす方法が有効です。
洗車等で使用する高圧洗浄機や、散水シャワーのストレートモードやジェットモードを用いて、カイガラムシの付着した部分に勢いよく噴射するだけできれいに除去することができます。
水圧は、手に当てて少し痛いくらいで構いません。しかし、あまりに水圧が強いと枝が折れたり幹を傷めたりする場合がありますのでご注意ください。詳しくはページ下部のYoutube動画をご覧ください。
ブラシでこする場合も、水圧で吹き飛ばす場合も、薄く樹皮が剥がれてしまうことがありますが、その程度であれば、バラへの負担は極めて少ないので気にする必要はありません。
剥がれてしまったカイガラムシですが、移動能力がないためバラに再び登ってくることはありません。そのまま剥がれ落ちた先で死んでしまいます。

洗浄機噴射前 枝にまんべんなくカイガラムシが張り付いています

洗浄機噴射後 こんなにきれいになりました!

カイガラムシを除去した後、再び定着するのを防ぐために薬剤散布を行います。薬剤はスプラサイド乳剤マシン油乳剤オルトラン混合剤等が効果的です。その他の薬剤については、カイガラムシに有効かどうか薬剤容器の裏面に記述があるので、よく確認してからお求めください。
毎冬、除去と薬剤散布を行えばカイガラムシによって大きな被害が出ることは無いでしょう。

また、カイガラムシが幼虫で動き回る4~6月は通常の殺虫剤が有効です。



冬に対策するのはなぜか

カイガラムシの防除は冬の休眠期が適期です。なぜ冬が良いのでしょうか。
理由はいくつかありますが、その中でも大きな理由はバラが葉を落とすからです。
葉が落ちることによって枝や幹が見えやすくなり、カイガラムシを見つけやすくなります。また、水で流す時や薬剤散布時に葉に妨げられることもありません。さらに、元気な葉が多くついている時期に薬剤散布を行うと葉に薬害が出てしまうことがありますし勢いよく水をかけると葉が破けてしまうことがありますが、葉がなければ問題になりません。
カイガラムシの生態からも冬が適期であることがわかります。冬のカイガラムシは受精卵を抱えています。春の産卵前に除去することで産卵させない、つまり効果的にカイガラムシを防除することになります。

しかし、冬の間しか防除してはいけないわけではありません。大発生してしまった場合等の急を要する場合は、バラに大きな被害が出る前に、夏であっても季節問わず防除法をお試しください。


カイガラムシについて

そもそもカイガラムシとは何なのでしょうか?何故防除が難しいとされるのでしょうか?

カイガラムシの一種、イセリアカイガラムシ

カイガラムシはアブラムシに近い仲間です。大きな分類では“カメムシ目”という区分の中にあり、カメムシやセミのようにストロー状の細長い口で木の汁を吸って生活しています。カイガラムシは日本で400種以上が存在しますがバラに付くものはそのうちの数種で、その中で最も多いのがバラシロカイガラムシです。園主曰く、バラのカイガラムシは他のものよりも剥がれやすいそうな……?
枝や幹に定着しているのは、実はメス成虫だけです。
幼虫は歩き回ることができ、オス成虫は2枚の羽で飛ぶことができますが、メス成虫は自分の周りをロウで固め、一切動けずにその場で木の汁を吸い続けます。カイガラムシが白く見えているのは、このロウ物質が白いからです。
カイガラムシに薬剤が効きづらいのもこのロウ物質があるからです。このロウ物質はカイガラムシの体を完全に覆い守っているため、上から薬剤をかけても薬剤の成分がカイガラムシ本体に届かないのです。
また、幼虫は動けるといっても他の昆虫と比べて移動能力は低いです。カイガラムシが発生した場合、遠くから飛んできたということはなく、元々木についていたか、近くの他の木から移ってきたかが考えられます。
また、カイガラムシは新しいツルツルした枝よりも、古く凸凹のある枝に定着しやすいです。

大発生してから気付く、そうならないために毎冬防除を行い、また日頃からよく観察してあげてくださいね。


00:00本当は冬がベスト
00:52症状
01:42高圧洗浄がおすすめ
02:39高圧洗浄実演
04:59ビフォーアフター
07:03カイガラムシって何?
08:38薬剤・殺虫剤は?
09:53古い株につきやすい
10:30冬の作業がおすすめ



その他、バラに関する虫のお話はこちら
バラの病害虫と対策

この記事を書いた人

篠宮バラ園 園主

篠宮バラ園 園主

「毎日がバラとのお付き合い」
20歳のころから50年近くバラとともに生活しています。いまだにバラの気持ちを理解しきれていません。

「気まぐれで気位の高い姫と、これからも…」
園主のひとり言でした。

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