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バラを移植するための掘り上げ方

地植えのバラの移植は、必ず根を傷つけてしまいます。それがバラにとって致命的となるリスクがあるため、あまりおすすめはしません。なるべく避けた方が良いです。
とはいえ、どうしても移植したい、しなければならない、そんな場合もあるでしょう。

バラの移植には気を付ける点がいくつもあります。
今回はその中でも「掘り上げ」についてご紹介します。

移植については、こちらも合わせてご参照ください。
バラの移植についてよくある質問

「木」を掘り上げることについて

バラは大きな括りでは「低木」に入ります。
自然界での植物は、基本的に生えた場所で一生を終えるので移動することはありません。
移動することは考えられていないので、引っこ抜かれた時点でおしまいです。

移植はそんな中、人間のわがままでおこなわれるものですが、移植して枯れてしまっては意味がありません。
元気な木が、自身の生命力と人の手による養生でギリギリ持ちこたえ、根を伸ばし再び元気になる、これが移植です。
生えている場所から掘り起こされて別の場所に移動して植えなおされるということが植物にとってはかなりの異常事態なのです。

現在では農業でもガーデニングでも移植はよく行われる作業です。また、専門的に木の掘り上げや移植を行うのは、造園業や植木屋といったプロの職人さんが多いです。


バラの掘り上げ方

①大きさを決める
まずは、*根鉢の大きさを決めます。
苗に対して大きすぎても小さすぎてもいけません。根鉢の大きさはつまり、根を切る長さと同義ですので、小さすぎると根を切りすぎてしまいます。大きすぎても、持ち上げた時に土が崩れて細根を傷つけてしまったり、重くて持ち上がらなかったりと扱いづらくなります。
鉢植えにする場合は、植え替える鉢に入る大きさにしましょう。
上の写真では、半径20cmほどの大きさで決めました。土の上に線を引いておきましょう。
*根鉢とは…バラを掘り上げたり、鉢から引っこ抜いた際の、根と土がひと塊になった部分。

②周りを掘る
株の周りを掘ります。引いた線の外側を掘っていきます。一度に深く掘らずに、少しずつ浅く、株の周りを何周かしながら掘っていきましょう。
周りを掘り終えました。
深さは、最初に決めた根鉢の直径~半径の間で都合の良い深さにしましょう。浅すぎると根を大きく傷つける可能性が高いです。
この後、スコップを下に向けて斜めに入れるため、幅は少し広めに掘りましょう。


③根切り
斜めにスコップを入れて、根を切っていきます。
根は出来る限り傷つけない方が良いですが、根を切らなければ掘り上げることはできません。
地植えにしてから時間が経つと根が太く固くなってしまっていることもあります。剣先スコップの先端をよく研いでおくと、そんな固い根であっても切りやすくなります。
上の図の赤い点線のように、コマのようなかたちをイメージしてスコップを入れます。


④土から掘り上げる
底の方にスコップを入れて、土から切り離します。
今回は根があまり土を保持していなかったので、上げる前に土が崩れて裸苗のようになってしまいましたが、根が土をちゃんと掴んでいると、鉢から苗を引き抜いた時と同じような状態になります。

これで掘り上げ完了です。

多かれ少なかれ根を傷つけているので、必ず地上部の枝などを剪定して、根と地上部のバランスを整えましょう。

要注意!やってはいけないこと

・株の根元にいきなりスコップを差し込む

根は横にも広がっています。株のすぐ近くから掘り上げると根の一番元の部分を傷つけてしまいそれが致命傷になって枯死してしまう可能性があります。必ず少し離れた所から少しずつ掘りましょう。

・地植えして数年以上経った古い株を掘り上げる

古い株は根を長く地中に伸ばしているため、根を短く切ってしまうと根の機能が大きく損なわれてしまいます。
植木屋には地植えで管理されている在庫の苗がありますが、それらの苗はあまり長く植えられていません。高頻度で植え替えを行って動かし続けているので大きく根が張らず、移植しやすくしています。

・休眠期である冬以外に掘り上げる
生育期である春・夏・秋に掘り上げるのは、バラへの負担が非常に大きく、おすすめできません。やむを得ない事情がない限り、移植は休眠期である冬に行いましょう。

どうしてもやむを得ない事情があり、春・夏・秋に掘り上げなければならない場合は生育期の堀上の記事をご参照ください。

動画はこちら
掘り上げのようすは5:27~14:30


ばら苗の管理方法

この記事を書いた人

篠宮バラ園 園主

篠宮バラ園 園主

「毎日がバラとのお付き合い」
20歳のころから50年近くバラとともに生活しています。いまだにバラの気持ちを理解しきれていません。

「気まぐれで気位の高い姫と、これからも…」
園主のひとり言でした。

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