執筆時のこの12月~1月頃に、例年よくいただくご質問です。
「冬だから、葉が落ちるはずなのに落ちていない。取った方が良いと聞いたんだけど、、、」と不安に思われる方もいらっしゃるようです。
冬についている葉も無理に落とす必要はありません。植物は自然の営みによって生命を維持しています。自然に葉が落ちるまま(落ちないまま)にしていれば良いです。
モミジや桜の葉を人為的に落とすということをあまりしないように、バラの葉も自然に任せておいて大丈夫です。
露地バラは寒くなれば生命を維持する方法として落葉し休眠状態に入り自分を守ろうとします。それに比べ、例えば温室の切ばら生産の現場では、バラにとって心地よい温度を保っているので葉が茂り、一年中花を出荷しています。要するに、暖かければ休眠の必要が無いのです。
年により暖かかったり、寒かったり様々です。状況に応じてバラが自身をコントロールしています。それが自然です。
葉がいつまでも付いているということは、気温が暖かいのです。葉が付いているということは根も活動しています。
その活動している時期(=十分な休眠状態に入る前の早い時期)に葉を落したり、剪定した場合は、新芽が伸び出す場合があり、これから本当に寒くなる時期に凍傷やキャンカーなどバラに害を与えかねません。
鉢栽培などで人為的に環境を制御している場合は、水やり追肥など人の手を借りなくてはなりませんが、基本的に生理的な事には介入してはいけません!
剪定なども春の新芽が動き出す前、すなわち2月末ごろまでに行えばよいのです。
植物の生命力や自然のサイクル(基本)を思い出すと、肩の力を抜いていただけるのではないでしょうか。