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ずっと選ばれているガートルード ジェキル

デヴィッドオースチン社は、1961年に最初のイングリッシュローズ、コンスタンススプライを発表して以来多くの名花を生み出してきました。その一方、惜しまれながら引退となった品種も数多くあります。

その中で1986年作出のガートルードジェキルは、現役の品種の中で一番古いものの一つです。
また、今なお英国内の好きなバラの上位に入る人気です。
それだけで優れているとわかりますが、どんな特徴をもっているか見てみましょう。



花の様子

艶やかなローズピンクの花色。花径10〜12cmと大輪のロゼット咲きで、花弁がぎっしりと詰まっています。 早咲きで花付きがよく、春は1〜5個の房咲きになります。 その花首は強く、うなだれることなく真っ直ぐに咲きます。


株の様子(仕立て方、剪定、耐病性、棘など)

株は直立性で、勢いのあるシュートがまっすぐに伸びますので、2.5m〜3mのつるバラとしてフェンスや壁面を覆うことができます。オベリスクやポールに仕立てる場合は大型のものに向きます。
また、冬の剪定で低く(50〜80cmほど)切り詰めれば1.5mほどのブッシュ(木立ち)として、花壇や15L以上の大鉢で楽しめます。

夏以降に伸びたシュートには花芽がつきませんが、大変生育旺盛でよく伸びます。
秋は房でなく1輪ずつ返り咲きを続けます。耐寒性耐暑性が強いことも特筆すべき点です。
うどんこ病には強め、黒星病には通常の対処を。トゲは多めですので、手袋を忘れずに。

素晴らしい香り

本国のWEBサイトでベスト オブ フレグランスの星がついているように、際立って強いオールドローズの香りを持っています。
イングリッシュローズの香りは「オールドローズ」「ミルラ」「ティー」「フルーツ」「ムスク」の5つに分類されます。
オールドローズの香りはバラの最も古い系統のガリカ、ダマスク、アルバ、ケンティフォーリアが受け継ぐいわゆるダマスク香で、気持ちを引き立てるとともに穏やかにさせる鎮静効果やリフレッシュ効果があるとわれています。誰もがバラと言ったらこの香りを思うのではないでしょうか。

受賞歴

英国王立バラ協会のジェームス・メイソン賞、2021年王立園芸協会のガーデン・メリット賞を受賞。
ガーデンメリット賞とは英国において、入手可能かどうか、安定した生育、育てやすさ、病害虫への耐性、などを評価されるもので、定期的な審査により品質が賞に相応しいかどうか検討されるものです。



先駆的園芸家 ガートルード・ジェキル

このバラは英国のガートルード・ジェキル(1843−1932)に捧げられました。彼女は著名な園芸家、ガーデンデザイナーで、絵画や写真、工芸、文筆にも秀でた芸術家でもありました。

Gertrude Jekyll, 1843 - 1932

彼女は、地主階級の郷士の家に生まれ、父親は近衛隊の軍人、母は名家の出でした。1948年に彼女の一家はロンドンから近郊のサリー州へ移り住みます。ヒースの野、池、松林に囲まれた田園地帯の屋敷の大きな庭は幼いガートルードの楽園でした。また健康の理由で早期に引退しいつも家にいた父親の影響で、科学や音楽、工芸への尽きぬ興味を持っていました。父の設備の整った工房で、いつも何か作ったり実験をしているような女の子でした。
18歳になるとガートルードはサウスケンジントンの美術学校に通い始めます。絵画ですでに素質を開花させていた彼女は、さらに植物学、解剖学、光学、そして色彩学を学びます。
次の10年間、彼女はつきぬ好奇心と探究心で、科学、技術、芸術、工芸を追求していきます。またそのような人々との交友も深めました。アーツアンドクラフツ運動のウィリアム・モリスもその一人です。また多く旅をする中で熱心な植物蒐集家でもありました。

その後、徐々に彼女を苦しめてきた視力の問題から、芸術的才能と情熱の注ぎ先はガーデンデザインに移って行きます。1876年、父の死後サリー州へ帰り、母の家の庭を設計すると注目され、植物の育成で受賞するなど注目され、1881年以降園芸雑誌への寄稿や編集の仕事も増えてきました。彼女は図面を描く時、色、質感を、印象派やターナーの水彩画のような絵画的な手法によって表現しました。また花色の暖色や寒色を考慮して色彩計画を作るという現代的な手法を取り入れた先駆者でもあります。

1889年にアーツ アンド クラフツ運動で知り合った当時20歳の建築家エドウィン・ラッチェンス(1869−1944)との出会いは、新たな段階をもたらしました。ラッチェンスの建築の知識とガートルードの植物や色彩の専門知識は、完璧に補完し合いました。1896年に建てられたジェキルの私邸「ムンステッドウッド」と庭園は二人のコラボレーションの最初の作品になりました。その後彼女の広い交友関係から多くの依頼がもたらされ、ラッチェンスの建築に彼女は多くの庭園を設計しました。
ジェキルが手掛けた庭園には、階段と手すりのあるテラスに植えられた低木と草花、レンガの道、草花のボーダーにユリ、ルピナス、デルフィニウム、ラベンダーなどが組み合わさる、どこかフォーマルとインフォーマルの入り混じるものでした。
前の世代が好んだかしこまったフォーマルな花壇とは対照的なこの「自然な」スタイルは、今に続く「イングリッシュ ガーデン」と位置付けられるものになりました。

彼女は英国、欧州、合衆国で400以上の庭園を作り、1,000以上の著述を残し、今日のガーデンデザインに最も影響を与えていると言われています。彼女は80代になっても忙しく苗の育成や開発事業を行い、多くの記事を書いていました。執筆においても美しさと正確さが溢れていました。
1932年彼女は自宅のムンステッドウッドで亡くなります。ラッチェンスが刻んだ墓碑銘はこうありました。

ARTIST
GARDENER
CRAFTSWOMAN



品種ごとの育て方

この記事を書いた人

篠宮バラ園 スタッフS

篠宮バラ園 スタッフS

バラ園のお仕事のかたわら、自宅でも篠宮バラ園のバラを育てて10と何年。
系統や品種、時期によって違う育ちに目を見張っています。
バラ周りのお話にも興味がつきません。

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