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【4月のバラの管理】葉が展開し一番花が咲くまでに注意すること(枝が伸びてつぼみをつける時期)

以前、芽吹きの時期の管理については、3月のバラの管理 芽が動いてきたころに行うことというブログや、YouTubeでお伝えいたしました。今回はその後の、葉が開き枝がぐんぐんと伸びて、一番花をつけるまでの時期のお世話のポイントです。

ポイントは「よく観察・早期対応」

目配り、気配りが大事になってくる時期です。
春の心地よい気温に、バラもぐんぐん成長しその様子を観察しているととても楽しいものですよね。
その一方で、人にもバラにも心地よい気候というのは、虫にとっても活動しやすい時期になります。また、バラにとっては木を作る大切な時期になりますので、病気が蔓延し致命的なダメージから守ることも大切です。

花が咲いている時期だけではなく、今の時期から「虫がついていないかな?」「病気になっていないかな?」と気配りをしていれば、早期に虫や病気を発見できます。そうしたら、すぐに対応を。例えば蛾や蝶が葉に卵を産む。葉の様子がおかしいと気づく。裏をみたら卵でいっぱい。それに気付けるかどうかです。もし気づくことができたらその葉だけとってしまえば良い。あるいは、その部分だけ殺虫剤をシュッとかける。そうすれば被害は小さくてすみます。これに気づかずに放置してしまうと、あっという間に被害が拡大し大事になってしまいます。
花が咲く時期だけではなく、日頃からの目配り、早期発見、初期対応が特に大切になる季節です。



柔らかい新芽を狙うアブラムシ

人にとっても新鮮な野菜は美味しいものですね。
アブラムシもその新鮮でやわらかい芽を狙って、どこからともなくやってきます。きっと食べやすくて美味しいのでしょう。
粘着くんのデンプン質や、ベニカナチュラルスプレーの水あめなどで物理的に気門を塞いで殺虫するのが効果的です。
また、発生する前に予防で撒いておく粒剤もあります。例えば住友化学園芸さんのベニカXガード粒剤。こちらは、当園でも効果を実感しているスタッフも多く好評です。ただし、量は守って下さい。薬なので過ぎてしまうと木がおかしくなってしまいます。適量にしてください。



蕾を狙うバラゾウムシ

詳しくはこちらのブログ せっかくの蕾や新芽が!バラゾウムシによる被害と予防・対策 をご覧ください。

待望の蕾や新芽を傷つけ、産卵し折ってしまいます。蔓延すると、「一度も花を見ていない、おかしいな」という事態にもなってしまいます。なんと、死んだふりもするというから困ったものです。ぜひご紹介したブログをご参照下さい。



春の黒点病(秋の黒点病との違い)

とくに雨の時期に多く出るものです。自然界にある菌ですので、完璧に予防するのは難しく、つくものだと思って下さい。「黒点病がついてしまった、もうだめだ」と嘆く必要はありませんが、春~夏の終わりまでは被害の拡大を早期に抑えることが肝心です。
春は存分に光合成をして木を作っていく時期です。黒点病にかかった葉はやがて黄色くなり、その葉が落ちていきます。光合成をする大切な葉がなくなると、当然バラは元気がなくなります。
一方で、気温が下がった秋~冬につく黒点病はだんだんと休眠期に向かうこともあり、防除に必死になることはありません。(もちろん、ある程度は消毒はして下さい。)
1年の中でもそんなに気にしなくて良い時期(秋)、早期発見して拡大を抑えることに注力する時期(今)と、バラ栽培にはメリハリがあることを知っておいてください。

【予防薬】
ダコニール1000 ベンレート水和剤 サプロール乳剤 など



うどんこ病

乾燥した時期に空気感染するのがうどんこ病です。とくに、しおれたりしてバラが弱まるとにつきやすくなるように思います。葉が粉をふいたように白く、縮れてしまい見た目も悪くなります。こちらも早期発見、初期対応をし、被害を拡大させないようにしましょう。
葉裏から感染しますので、葉裏を洗うように薬剤を散布します。

【予防薬】
ダコニール1000トリフミン水和剤 粘着くん液剤など



薬剤の濃度に注意

この時期(だけではありませんが)、薬剤散布する際は特に濃度に注意してください。すでに出来上がっている市販のスプレーを用量を守って撒く場合でしたらあまり問題ないと思いますが、ご自分で混合して薬液を作る場合、濃くならないよう気を付けましょう。
まだ蕾が出来る前の時期でしたら、散布する量もそんなに多くないはずです。少ない薬液を作る場合、混ぜる薬はうっかり濃くなりがちです。濃すぎた場合、柔らかい新芽には薬害が出る可能性もありますので注意してください。



水やりの「タイミング」が大事(鉢栽培)

農業では「水やり三年」という言葉があります。簡単そうに思える水やりも、実はとても奥が深く、植物にとって良い塩梅であげられるようになるには3年ほどの経験が必要だという意味です。

バラの鉢栽培で一番肝心なことは、水をあげる「タイミング」です。バラが水を欲しいなと思っているときにたっぷりあげること。人間だって運動したあとの水分はとても美味しいですよね。そのときまで待ってあげるのが重要です。
そのサインは土の渇き具合。土がさらさらになってきたときに、鉢の底から水が出るくらいにたっぷりあげてください。そこまで待てるかどうかが肝心です。人間の都合で、土が乾いていない、バラが水を欲しがっていないのにあげてしまうことが続くと、根腐れに繋がります。
お客様から「バラが元気がない」とご相談を受けることもありますが、よくよくお話を聞くと土の乾きを見ずに定期的(たとえば毎日必ず朝夕など)にあげていることがあります。水をやりすぎて枯れてしまうことは、初心者さんが陥りやすいポイントです。

土が乾く間隔は、その時々の天気、気温、バラの大きさ、元気さ、置いてある環境によって千差万別です。だからこそ、よく観察しバラの顔色を伺って、一番欲しがっていそうなタイミングでたっぷりの水をあげて下さい。そこまで待てるかどうかが、園芸上手になるかどうかの分かれ目です。

詳しくは動画で解説しておりますのでご覧下さいませ。
バラの水やり バラ50年プロの生産農家より


一番花に向かってぐんぐん伸びるこの時期、注意して観察して正しい対処をしてあげれば、バラ栽培は楽しめます。バラが成長するのを正しく手伝ってあげれば、そのお礼に良い花が咲いてくれます。ぜひ頑張って下さい。



ばら苗の管理方法

この記事を書いた人

篠宮バラ園 園主

篠宮バラ園 園主

「毎日がバラとのお付き合い」
20歳のころから50年近くバラとともに生活しています。いまだにバラの気持ちを理解しきれていません。

「気まぐれで気位の高い姫と、これからも…」
園主のひとり言でした。

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