12月に入り、気温も大分下がってきました。
この時期から、おおよそ2月末までの3か月間は、一般的に(休眠期)と言われるバラにとっては過酷な季節に当たります。
休眠とは、温度が下がる事によって自分の身を守ろうとする行為を言います。寒さにじっと耐え、来る春に備える大切な時期でもあります。
バラの管理も、活発に成長していた温かい時期と異なり、活動休止のこの(期間内)にしておけば良い作業と思って頂ければ良いと思います。
※まだ暖かい場合やお住いの地域により、秋のお手入れもご参考にしてください。
秋のお世話
10月の秋の花を楽しんだ後に剪定をしますが、現代では暖冬のせいか12月になっても花を咲かせ、楽しませてくれる場合もあります。
花を咲かせるということは、休眠に至っていないということです。その場合、カレンダー上では12月でも、(本来は休眠期に行う)深く切り詰める本剪定は無理にしなくてOKです。最終的には2月末までに行えば良い作業です。
剪定の方法は四季咲き、ツルバラなどの系統別の特性をいかした作業がそれぞれ必要ですので、それに従ってください。
(1)四季咲き鉢植えの剪定
★ポイント★
・株全体のバランスを考える
・勢いの良い枝から剪定する
・芽の位置を把握する
(2)四季咲き地植えの剪定
00:00剪定スタート
9:20去年切ったところとは…
10:22形を保つ大事さ
21:27シュートの剪定
26:50決まった形はありません
29:18気を付けること
30:43三月でも剪定していい?
33:14肥料について
(3)つるバラの剪定
00:00はじめに
04:15剪定道具の紹介
06:53株元から枯れ枝を剪定
07:53いる枝、いらない枝の選別
09:20若い株の場合は…
10:40枝を減らす
12:26脇枝を少し残す
18:47隣の株へ移動
21:50枯れ枝と元気な茶色い枝との見分け方
25:20上部で気を付けること
26:19枝数、風通し、花数
27:08外芽、内芽
29:25まとめ
30:39花数を増やすコツ
32:19下にも咲かせるコツ
33:36四季咲きとの違い
水平に誘引よりも、下の方へ空いているところへ誘引するのがたくさん花を咲かせるコツです。
00:00つるバラの誘引
13:45テッポウムシに気を付けよう
16:10使っている紐は?
18:58毎年誘引しなおすの?
21:11新苗の誘引は?
23:46冬以外も誘引して良いの?
26:28老化した株からシュートを出すには?
29:33小さめのアーチに誘引できないのですが
33:10新しいシュートを出すには
35:33最後に
鉢栽培をしている場合、土をごそっと入れ替える植え替え。1~2年に一度はこの休眠期に必ず行いましょう。
限られた狭い鉢という環境の中で生育しているので、植え替えは大切な作業になります。
市販の用土か、ご自分で正しく配合した用土で植えます。植え替え後は凍らないように寒さ対策を必ずして下さい。
冬に新しい土に入れ替えておくことで春にしっかりとした根を張ってくれます。植え替えをしないと枯れるというわけではありませんが、春に元気な花を見るための年に一度のとても大切な作業です。
また、植え替え作業はコガネムシやカイガラムシ、アブラムシなどの病害虫がいないかチェックが出来るタイミングでもあります。
※植え替えには当園のオリジナル培養土がおすすめです。
※より詳しくは ブログ記事プロが教える冬の植え替えの基本(鉢づくり)をご覧ください。
こちらの動画でも手順を細かく解説しています。
00:00基本の植え替え(7~8号鉢ぐらい)
26:06やや大きめのサイズの鉢の植え替え
42:36特大サイズ(動かせないような鉢、プランター、誘引しているつるバラの鉢等)の場合
46:00気を付ける虫
49:00終わりに
特に根が凍らないように注意をしてあげます。
幹の部分は比較的寒さに強いのですが、根を凍らせると死に至らしめます。人で言えば心臓に当たる部分ですので特に気を付けます。対策としては、夜にビニールや布などで包んであげると効果的です。
※より詳しくは ブログ記事バラの寒さ対策をご覧ください。
動画でもご説明しましたので合わせてご覧ください。
路地植えのバラは特に必要ないです。 鉢植えのバラはいつものように、表面が乾いたらあげてください。ただ、春夏秋に比べ、水をあげる回数は大幅に少なくなります。
追肥は休眠期間内に一度ほど適量を置き肥して下さい。
バラが元気に生育する時期に悪さをした病害虫も来春に向けて、また、新たな子孫繁栄の為に生き延びようと涙ながらの努力をしています。
主に、葉ダニ、テッポウ虫、コガネムシの幼虫などしっかりと対処しておくことが大切です。
気温が0度を下回ると葉の裏に寄生していたダニは越冬のために、株元に降りてきて温かい表皮の内側に集まり集団で冬を越します。対策として、この時にハブラシなどで古くなった角質層を剥ぎ、赤く色づいたダニを退治して上げると有効です。
カミキリムシの幼虫とも呼ばれます。夏にバラの幹に卵を産み付け孵化した後、幹や根を食害して成長し主に年数を経たバラに大きな被害をもたらします。
対策として、12月~2月の休眠期に株元に食害された跡(木くず)が有るか無いか確認します。
無ければ問題なし、もし有るようならば必ず排泄した穴がありますので発見し、スミチオンなどの殺虫剤を穴に注入します。
コガネムシも夏に産卵し秋に被害をもたらします、特に鉢栽培などで急に生育が悪くなったような時は要注意です、鉢から株を抜いてみると沢山のコガネムシの幼虫がいて、根が食い荒らされています。
こうならないように定期的に薬剤散布を行ったり、鉢から抜いて芽の確認も必要です。
※より詳しくは ブログ記事 コガネムシ類による症状と予防・対策をご覧ください。
葉が落ちて枝が見えてきた今の時期の手入れが適しています。ブラシでこすったり、洗車用の高圧洗浄で飛ばすのがおすすめです。
※より詳しくは ブログ記事 カイガラムシの予防・対策をご覧ください。
秋に黒点病などに罹った枯葉は拾い集めて処分します、圃場全体の薬剤散布もお勧めです。
近年、あたたかい冬が増えています。
そのためお客様より「冬剪定をしたあとすぐに緑の新芽が伸びてきた。これって大丈夫なの?」とご質問をいただきました。
たしかに冬は休眠期で落葉するものですが、あたたかくて休眠に入らなかったとしてもそれはそれでその環境に応じて植物は一生懸命生きています(根が活動している)ので、気にされなくて大丈夫です。ましてや、ついている葉を無理に落とす必要もありません。
伸びたら伸びたで自然なので心配しなくて大丈夫です。たとえ1月2月に新芽が出てきて霜がついたとしても、株自体が枯れることはありません。2月いっぱいに春に向けての本剪定を行えばOKです。
よくいただく質問に、「本来冬は葉が落ちるはずですが、まだ葉がついている。葉を落とした方がよいのか?」というものがありますが、これは落とさなくて良いです。自然の木々を思い出していただければおわかりいただけると思います。詳しくは動画でお話しましたのでご覧ください。