12月に入り、気温も大分下がってきました。
この時期から、おおよそ2月末までの3か月間は、一般的に(休眠期)と言われるバラにとっては過酷な季節に当たります。
休眠とは、温度が下がる事によって自分の身を守ろうとする行為を言います。寒さにじっと耐え、来る春に備える大切な時期でもあります。
バラの管理も、活発に成長していた温かい時期と異なり、活動休止のこの(期間内)にしておけば良い作業と思って頂ければ良いと思います。
10月の秋の花を楽しんだ後に剪定をしますが、現代では暖冬のせいか12月になっても花を咲かせ、楽しませてくれる場合もあります。
花を咲かせるということは、休眠に至っていないということです。その場合、カレンダー上では12月でも、(本来は休眠期に行う)深く切り詰める本剪定は無理にしなくてOKです。最終的には2月末までに行えば良い作業です。
剪定の方法は四季咲き、ツルバラなどの系統別の特性をいかした作業がそれぞれ必要ですので、それに従ってください。
鉢の植え替えは1~2年に一度はこの休眠期に必ず行いましょう。
限られた狭い鉢という環境の中で生育しているので、植え替えは大切な作業になります。
市販の用土か、ご自分で正しく配合した用土で植えます。植え替え後は凍らないように寒さ対策を必ずして下さい。
冬に新しい土に入れ替えておくことで春にしっかりとした根を張ってくれます。植え替えをしないと枯れるというわけではありませんが、春に元気な花を見るためのとても年に一度の大切な作業です。
また、植え替え作業はコガネムシやカイガラムシ、アブラムシなどの病害虫がいないかチェックが出来るタイミングでもあります。
こちらの動画では細かく手順を説明しました。
(1)基本の植え替え(7~8号鉢ぐらい)
(2)やや大きめのサイズの鉢の植え替え
(3)特大サイズ(動かせないような鉢、プランター、誘引しているつるバラの鉢等)の場合
(4)気を付ける虫
ぜひご覧下さい。
特に根が凍らないように注意をしてあげます。
幹の部分は比較的寒さに強いのですが、根を凍らせると死に至らしめます。人で言えば心臓に当たる部分ですので特に気を付けます。対策としては、夜にビニールや布などで包んであげると効果的です。詳しくは動画で説明しましたのでご覧ください。
路地植えのバラは特に必要ないです。 鉢植えのバラはいつものように、表面が乾いたらあげてください。ただ、春夏秋に比べ、水をあげる回数は大幅に少なくなります。
追肥は休眠期間内に一度ほど適量を置き肥して下さい。
バラが元気に生育する時期に悪さをした病害虫も来春に向けて、また、新たな子孫繁栄の為に生き延びようと涙ながらの努力をしています。
主に、葉ダニ、テッポウ虫、コガネムシの幼虫などしっかりと対処しておくことが大切です。
気温が0度を下回ると葉の裏に寄生していたダニは越冬のために、株元に降りてきて温かい表皮の内側に集まり集団で冬を越します。対策として、この時にハブラシなどで古くなった角質層を剥ぎ、赤く色づいたダニを退治して上げると有効です。
カミキリムシの幼虫とも呼ばれます。夏にバラの幹に卵を産み付け孵化した後、幹や根を食害して成長し主に年数を経たバラに大きな被害をもたらします。
対策として、12月~2月の休眠期に株元に食害された跡(木くず)が有るか無いか確認します。
無ければ問題なし、もし有るようならば必ず排泄した穴がありますので発見し、スミチオンなどの殺虫剤を穴に注入します。
コガネムシも夏に産卵し秋に被害をもたらします、特に鉢栽培などで急に生育が悪くなったような時は要注意です、鉢から株を抜いてみると沢山のコガネムシの幼虫がいて、根が食い荒らされています。 こうならないように定期的に薬剤散布を行ったり、鉢から抜いて芽の確認も必要です。
秋に黒点病などに罹った枯葉は拾い集めて処分します、圃場全体の薬剤散布もお勧めです。